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2017.11.02

岩手と東京の2拠点で、ITベンチャー、木材業、リノベーションまちづくり、いくつものボーダーをこえて。小友康広さん

【インタビュー「越境人」 】
居住地、年齢、経験、性別、キセイガイネン……会社という枠・ボーダーをこえて、自分の可能性を最大限に活かそう。ボーダーをこえている人達を「越境人」と私たちは呼んでいる。ここでは、彼らの「越境人」となるための秘訣を聞く。

 

 
今回の越境人は、今年のはじめに話題になった花巻の「マルカンビル大食堂」の奇跡の復活の立役者、小友康広さん。この地元民に愛されながらも閉店に追い込まれていた大食堂を復活させたのは、小友さんの「リノベーションまちづくり」事業。そして小友さんが手掛けているのはまちづくり事業だけでなく、同じ花巻での木材業。東京でのITベンチャー「スターティアラボ株式会社」の取締役と、場所や業種のボーダーをこえて活躍されています。そんな小友さんに、複数の事業を立ち上げた経緯や、事業を進める上で必要な時間・仕事管理術について伺いました。
 

30前に岩手と東京、木材業とITベンチャーのハイブリッド生活始まる

 
Q.どのような経緯で複数の事業を手掛けることになったのですか?
 
実家は株式会社小友木材店という会社で木材業と不動産業をやっており、大学を卒業する際に、ただ実家に帰るのではなくて、自分だから提供できる価値を持って帰りたいと思い、木材業界とは全く関係ない業界に就職しようと思いました。ただ、30歳の頃には家業を継ごうと思っていたので、その意思を企業に伝えながらの就職活動をしていました。結果、内定が出たのは人材ベンチャーかITベンチャーくらいでした。その中でスターティア株式会社一番小さくて一番知名度がなく、自分の影響力が一番大きいだろうという理由で入社を決めました。自分の影響力を大きく発揮できたら、良くも悪くも自分がどんなものかがわかるだろうと思っていたので。
 
そして予定の30歳より前に父親の癌がわかり、2013年に会社に辞表を出した際に「1/3くらい手伝ってくれない?」と言ってもらいました。家業を継ぐということは、東京での仕事は辞めると思っていたので、「そういう働き方ができるならぜひ!」という気持ちでお受けしました。そこから、東京のスターティア、岩手の小友木材店の2社でのハイブリッド生活が始まりました。
 

家業の不動産業から広がって、まちづくりへ。マルカンビル大食堂の復活!

 

 
Q.家業の不動産事業から広がって、マルカンビルの事業につながったのでしょうか?
 
小友木材店の不動産事業の1つに小友ビルという10年以上3フロアが丸々空いている古いビルがありました。花巻市が主催の勉強会で知った「リノベーションまちづくり」という手法でそのビルを中心に花巻駅前エリアを面白くしようと、仲間たちと「花巻家守舎」を2015年4月に設立しました。
 
その後、対象エリアから徒歩10分くらいにあるマルカン百貨店が閉店するということになり、同じリノベーションまちづくりでなんとかできるのでは? と思ったので「我々が引き継ぎできないかを検討します」と手を挙げました。検討の結果、引き継ぎができそうとなり、本格的に実現するための2016年6月に「上町家守舎」を立ち上げました。
 

場所も業種もこえる時間・仕事管理術

 

 
Q.まちづくりの事業がさらに2つも立ち上がり、さらに岩手と東京という場所のボーダーもある中で、どのように時間管理・仕事管理をされていますか。
 
まず、時間管理としては「今いる場所の事業に集中」します。他の事業はメールやチャットなりで連絡を入れておいてもらって、朝か夜もしくは隙間時間などで対応します。そして緊急時等は電話をもらうことにしています。そのほか前もってTV会議を入れている場合は、その時間だけその事業に集中します。大体、スターティアラボ、小友木材店、2つの家守会社で1/3ずつの時間配分だと思います。 

仕事管理は、「人に任せる」と「問題点を全部解決しようとしない」の2つです。まず、「人に任せる」は真の権限委譲をします。例えば「100万円の決裁権限をあなたに渡すから、好きに決めていい」という権利を渡したら、「これを100万円でやります!」と言われたものに「NO」は言わない。唯一できることは、次回からその権限をはく奪するか、その人のポジションを変えるかです。100万円の権限を与えたので、その人の考えるベストなことをやってください!と。それで自分の仕事は減ります。 

次の「問題を全部解決しようとしない」というのは、3ヵ月間放置しても大勢に影響が出ないという問題は見て見ぬふりをします。そして大局に問題があるものにだけ、フォーカスして解決します。本当、それ以外はやらない! つい、全部解決しようとしてしまう人が多いと思うので、これは逆に大変ですが‥‥‥。
 

消えてなくなりそうなものを助けられる人になりたい

 

 

Q.小友さんの今後やっていきたいことを教えてください。
 
各会社でビジョンがあり、それを実現していくことが今のやりたいことですね。小友木材店は、世界で一番カッコいい木材店になること、そしてそのために2019年までに日本で一番ITを活用した木材店になること。花巻家守舎は、5年以内に100人のチャレンジする大人がエリアに集積するというのを設立時に決めています。また上町家守舎は、マルカン大食堂を可能な限りそのまま残すこと、そして上町を花巻の産業(花巻ならではのコンテンツ)が育つまちにするということです。
 
スターティアラボについては、世界標準のマーケティングエコシステムをつくっていこうと取り組んでいます。リアルとデジタルの接点に我々がプロダクトやプラットフォームを提供して、関係する人や会社全体が発展するエコシステムを構築したいと思っています。(こちらは、Amazonとインスタカートの違いを使ってエコシステムの説明をされていました)
 
Q.小友さんご自身ではどうですか?
 
私自身は、自分が大切だ、重要だと思ったことが消えてなくなりそうになっている、弱くなってきているというときに助けてあげられる人になりたい。困難があるなら、それをぶち破るだけのチカラはいつでも持っていたいと思います。マルカン百貨店も自分の大切なもの(6階にあった大食堂)が消えてなくなるのを見ていられなくて、さらに自分たちがやってきた手法(リノベーションまちづくり)で存続させられるのでは? と思いました。そういうものが目の前にバーンと出て来たら「やります!」といつでも言えるだけのチカラを持っていたいです。つまり、個人としては夢やビジョンというより、そういうチカラを常に持っていたいということですね。
 

おわりに

 
いかがでしたでしょうか? お話を聞いていて、物腰の和らかさなどから想像つかなかったパワフルさを感じました。特に最後の助けられる人、「やります!」と言えるだけのチカラというのは、もう既にそうなっている小友さんがそうあり続けるという固い意志に感じました。場所や業種をこえて、小友さんの影響が及ぶ範囲はさらに拡大しそうです。私自身は、小友木材店が世界一カッコいい木材店になるというのが、どういうカタチの木材店になるのか、とても楽しみです!
 
小友さんの越境人はこれで終わりですが、小友さんには複数の業種で行っている様々な「人材マネジメント術」や、様々な事業を立ち上げる「企画術」もうかがいましたので、そちらも追って公開いたします。お楽しみに。

この記事の筆者

yoko koga

こが ようこ

IT企業にてSE、営業として働き妊娠を機に退社。地域でママ向けのイベント・講座を行う団体の代表をしている。 住んでる地域を楽しいところにしたい!という活動を展開中。好きな言葉は「なんとかなる」、子育てモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」。