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2017.03.08

【B面】コミュニケーションによる信頼と事業の成果という両輪で人を巻き込む企画力

 

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

今回の企画人は、震災後にヤフー株式会社で復興デパートメント(現「東北エールマーケット」)を立ち上げ、さらにヤフーの石巻ベースまで立ち上げた長谷川琢也さん。その活躍はヤフーだけにとどまらず、三陸の若き漁師たちが「真にカッコよくて稼げるフィッシャーマン」になり、未来の世代が憧れる水産業を目指す「フィッシャーマンジャパン」を立ち上げられました。【A面】では立ち上げ経緯まで伺いました。【B面】ではそのフィッシャーマンジャパンにまつわる長谷川さん流、異なる立場の“間”に入り、人を巻き込む企画力に迫ります。

 

※記事は【A面—生き方・働き方】と【B面―企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【B面】です。

 

コミュニケーションの積み重ねと事業の結果を通して信頼を得ていく

 

Q.フィッシャーマンジャパンを立ち上げる際にはどのような苦労がありましたか?

 

現地の漁師さんたちとのコミュニケーションが最初の課題でした。最初はメールなどのツールが使えず、電話かもしくは直接会いに行って話していました。この問題点は、話の履歴が残らないこと。次回会ったときに、話が食い違うとまた最初からと時間をかけてコミュニケーションを行い、信頼を積み重ねていきました。そして信頼が貯まると、「長谷川さんも大変だから」とメールなどのツールを使用してくれるようになりました。
また、相手の地域での立場を気遣ったり、応援してくれる人の後ろ盾を大切にするなど、地方だからこそ必要な側面もありました。結果として、石巻市からの委託で「漁師を増やす担い手事業」(TRITON PROJECT)など地域のための事業をやらせていただけるようになり、さらに地元の理解を得てからはますます動きやすくなったと思います。

 

企画の結末は、誰かが笑う物語の結末になること!

 

Q.フィッシャーマンジャパンだけでなく、震災後だけでも復興デパートメントなどさまざまな企画を立ち上げて来られましたが、長谷川さんにとっての企画とは何ですか?

 

もちろん企画とは課題解決ですが、それだけではなく前向きな面白いことをやる! ことだと思っています。それをやることで誰かが笑う・喜ぶ。その状態に近づけるためのものです。だから、マイナスから0ではなく「プラス」を必ず目指します。

 

ヤフーに入社したときに直属の上司から聞いたのですが、孫さんがソフトバンクの入社式で「自分が何かやったことが、遠いチベットの山奥のひとりの少女をにっこりされられたら素敵だな」というようなことを話したそうで、そういうことを常に意識しながら企画を立てています。

 

Q.実際に企画を立てるときのポイントはなんですか?

 

まず「壁・枠」を気にしないこと。そこから入ると何も生まれないし、何もできない。

 

そして企画を誰かに伝えるのは企画書なので、物語が必要だと思っています。エクセルで単純に100万から1,000万にするというものではなくて。いい物語(ストーリー)がないと誰かが笑う、いい結末は生まれないから、その結末を想像しながら物語を組み立てます

 

自分の仕事は、巻き込んだ人たちに気持ちよく動いてもらうこと

 

Q.企画を形にする上での長谷川さんならではのポイントはありますか?

 

自分は何もできないと思っているので、頼る! ことです。一緒にこういうことをやりたいとう人をつないで、形になればいいと思っています。自分がどうこうというより、形にしたいという想いが強いので。1人で出来ないことをみんなでやるために、いかに巻き込むかを考えています。

 

そういう意味では、今までの仕事で役割が異なる人の間にたって「通訳者」として仕事をしてきたことが、活きています。石巻の地元の人やプロジェクトに関わるさまざまな人との調整役は自分の仕事です。単純な調整というわけではなく、関わる人にいかに気持ちよくやってもらうかということを常に意識しています。

 

今後の展開は一見相反する2つの世界の実現!

 

Q.今後の展開はどのようなことを考えているのですか?

 

地方でやってきて思ったのは、都会と地方、ITと漁業などの物差しが違うこと。本業ヤフーと漁業の関わりを世の中に示すのには相変わらず苦労しています。一方で「フィッシャーマンジャパン」を見ても、地方の人や産業がかっこいい! 稼げる!(ビジネスになる)ということを示すことで、消費者も企業も注目してなにか一緒にやりたいと思ってくれるようになってきましたし、他地域の漁師にも刺激を与え、連携などが始まろうとしています。地方間、漁師間連携という広がりを出したり、さらに日本の漁業を世界に轟かせることで、漁師から産業、地域を盛り上げる活動にステップアップしていきたいと考えています。

 

とは言っても背伸びしすぎて無理が生じないように、石巻に絞って小さいけど持続可能な、石巻の人が幸せで、程よく儲かるいい世界というのは、都会や世界とは切り離して考える必要があるのではとも思っています。

 

おわりに

 

会社は「Yahoo! JAPAN」で、立ち上げた「フィッシャーマンジャパン」も“JAPAN”がついているくらい日本が大好きな長谷川さん。日本を世界から見たら、1つの離島であり、その離島が素敵に残ったり、素敵に進化したりすることをやりたいと語っていたのが印象的でした。

 

「PLANNERS」では、今後、長谷川さんと一緒に東北のホヤの美味しさを全国の皆さまにお届けするプロジェクトを始動しますので、お楽しみに!

この記事の筆者

yoko koga

こが ようこ

IT企業にてSE、営業として働き妊娠を機に退社。地域でママ向けのイベント・講座を行う団体の代表をしている。 住んでる地域を楽しいところにしたい!という活動を展開中。好きな言葉は「なんとかなる」、子育てモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」。