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2017.03.14

【A面】次世代のスター現る! どうせ変えるなら世界を。トリプル・ダブリュー・ジャパンCEO中西敦士さん

 

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

 

今回の企画人は、世界で類を見ない超音波センサーで排泄予知を行うウェアラブル装置「DFree」を開発している「トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社」CEOの中西敦士さん。中西さんは、Forbesが昨年行った、「日本の起業家ランキング」の次世代スターを読者とともに決める「RISING STAR」アワードで3位に輝いた日本の、そして世界の期待の星です。今回のA面では、世界初の装置「DFree」の開発に至った道のりを紐解きます。

 

※記事は【A面―生き方・働き方】と【B面—企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【A面】です。

 

*DFreeとは
腹部に装着した超音波センサーから得られた体内の情報をBluetooth経由でクラウドに送り、ユーザーの体内情報から何分後に尿や便が排泄されるかを予測し、スマートデバイスにお知らせする仕組み。今年春からまずは排尿を予測する機器の展開を、主に介護施設向けに開始する。使用者に「何分後」と余裕を持って知らせるだけでなく、トイレに行くまでに時間がかかったりする人には設定した時間に合わせて知らせてくれる。

 

小学生で夢は社長に! 社長になるために進んだキャリア

 

Q.今の中西さんをつくられたきっかけになるエピソードがあれば教えてください。

 

自分で会社をやっていた祖父が小4のときに亡くなりました。もう当時は引退していたけど、お葬式の際にたくさんの方が訪れて、「おじいさんはすごい人だったよ」という話を聞きました。それで「経営者って面白いなぁ」と思い、そこから将来の夢が「社長」となりました。また祖母が、人工肛門をつけていたのですが、そこから生活が一変して、自分も近寄りがたくなったのを感じたのも、今の「DFree」の原点かもしれません。

 

Q.小学生から「社長」を目指していたんですね。

 

そうですね。そして「社長」になるなら慶応かなと、大学は慶応義塾大学に行き、大学1年からインターンをはじめました。当時は大学1年からやっている人はいなくて、珍しがられました。大学3年の就職活動時期になったのですが、なんかピンと来なくて。ホリエモンブームもあったので、自分でやった方が早い! とはじめたんですが、3ヵ月で終わりました・・・・・・。

 

自分でやってみると「会社というものがよくわからない」ことに気づき、まずはベンチャー企業に入ろうと、アルバイトを経て1年間正社員で働きました。結局、そのベンチャー企業のビジネスは頓挫してしまい、そこから「社会のことをわかっていないとまずい!」と新規事業を立ち上げるコンサルへ転職しました。コンサルに4年もいるとコンサルタントとしてうまくいく感覚はできるけど、いざ自分で何かをやるぞと考えると、できそうな気がしない。またも「これはまずい!」と思って、青年海外協力隊でフィリピンに行きました。東京で遊び過ぎたって言うのも、途上国を選んだ理由です。
 

はじめてイチから事業を立ち上げる経験をフィリピンで

 

Q.フィリピンではどのようなことをされていたのですか?

 

ボランティアだったので遊んで暮らしてもよかったのですが、折角なので村人の収入向上のために何か自分でイチからやろうと思いました。フィリピンにはアバカ(マニラ麻)という素材があり、日本の紙幣などに使われています。ただ今後、需要の伸びが見込めるわけではない。そこで、これを使った新しい商品として薄くて涼しいジーンズ「MAASA」を開発しました。大手商社からの資金援助もあり、結構日本でも反響もありました。

 

Q.なんでジーンズにしようと思ったんですか?

 

単純にフィリピンは暑い国なので、ジーンズは暑いなと。自分がイヤだから、他の人もそう思っているんじゃないかな? と思いました。特にフィリピンでは、正装がポロシャツとジーンズなので、ジョーンズを着る機会も多い。だから、もっと涼しいものができたら喜ばれるのでは?と思いました。また、リーバイスなどの縫製工場もあり、技術があるという見込みもありました。このジーンズ開発の経験から、ものづくりって面白ないなぁと思いました。

 

2カ国じゃ物足りない! 世界を舞台に!!

 

Q.「MAASA」ジーンズは成功したけど、そのままビジネスは続けなかったんですね。

 

2年が経ち、日本、フィリピンとその周辺国というマーケットが見えて、ダイナミックさに物足りなさを感じました。せっかく英語を使えるようになったので、世界を広げようと、アメリカのUCバークレーに留学しました。そしていままで学んでなかった領域(ファイナンスなど)を学びました。ただ留学後の1年はビザがありますが、その後もアメリカに居たかったら、自分でビザを取得できるステータスに行く必要があります。

 

留学の最後は地元シリコンバレーのベンチャーキャピタルでインターンだったので、ひたすら自分でつくったアイデアを周りの方に聞いてもらっていました。その中に、自分の原体験から生まれた「排泄予知システム」があり、「これは聞いたことがない! 面白い!」という反応をもらいました。自分が出した30個のアイデアのうち29個はほかの誰かも出しているものだったけれど、「排泄予知システム」だけは誰も出していないアイデアだったというのもあります。

 

ターゲットは「排泄をするすべての人」。つまり全人類、全世界がターゲットになります。そしていままでは排泄“中”や“後”に主眼がおかれて技術が進んでおり、排泄“前”の技術はほとんど進んでいない。また各自の「排泄データ」は匿名で蓄積されていけば、世界で初めて「排泄のビッグデータ」を誕生させることになります。

 

ここから「排泄予知システムDFree」の開発が始まりました。

 

・・・

 

この「排泄予知デバイスDFree」は、3月3日に開催された経済産業省主催の「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017」で優勝しました。既に世界30カ国以上から導入の問い合わせが殺到しており、日本だけでなくフランスでも実証実験が進められているそうです。

 

今回中西さんのA面では、この「排泄予知デバイスDFree」開発に至るまでについて伺いました。有名な原体験や「排泄予知システム」の開発物語については、ぜひ中西さんの著書「10分後にうんこがでます」(新潮社)をご覧ください!(写真で中西さんが手にされているものです)」

 

ジーンズビジネスが成功しても、物足りなさを感じていた中西さん。最終的には全世界をターゲットに、世界初の技術を開発します。この「世界」を見据えた企画力は【B面】で紐解きますのでお楽しみに!

 
<つづく>

この記事の筆者

yoko koga

こが ようこ

IT企業にてSE、営業として働き妊娠を機に退社。地域でママ向けのイベント・講座を行う団体の代表をしている。 住んでる地域を楽しいところにしたい!という活動を展開中。好きな言葉は「なんとかなる」、子育てモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」。