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2017.09.15

思い立って1週間で退職決意。自身のユーザー体験から等身大起業。タスカジ和田幸子さん

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

 

今回の企画人は、作り置きおかずなど「料理が上手なタスカジさん」がTVでも話題になっている株式会社タスカジの代表取締役社長 和田幸子さん。他の家事代行サービスと異なるのは、「家事代行マッチングプラットフォーム」であること。なんとなくいつかは起業しようと思っていた和田さんですが、欧米ではメジャーでも日本ではまだなかったこのサービスで起業しようと思い、1週間で退職を決意した理由など伺います。

 

※記事は【A面―生き方・働き方】と【B面―企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【A面】です。

 

淡々と目の前をやっていくことの延長に起業があることを知った

 
Q.いつから起業をしようと思っていたのですか?

 

タスカジの内容(家事代行マッチングプラットフォーム)をやろうと思いついたのは、退職の1週間前ですが、就職前から漠然とある程度経験を積んでからいつかは起業したいと思っていました。

 

Q.就職前から起業しようと思っていて、なぜ就職先に大手IT企業を選ばれたのですか?(起業者が多く出ている企業なども選択肢にあったかと思うのですが)

 

もともと私は親から「普通が一番」という教育を受けていて、女の子は「サラリーマンと結婚して、子どもを産んで家事をやる人です」という環境にいました。本当に普通の女の子でした。だから就職したあとのキャリアが一生続くというのがよくわからなくて、将来どうなるんだろう?とぼんやり考えているときに、ロールモデルが欲しい! と本をいくつか読みました。その中に、大手の電機会社にお勤めされて部長になった50代以降に起業された方がいました。それを読んで、「こんなケースがあるのか!」と。淡々と目の前のことをやっていく、そこの延長に起業があることを知ることができたので、まずはしっかりキャリアを積んでいこうと大手IT企業を選びました。そして、いつでも起業はできるようにしようとは思っていました。

 

新規事業にいつも手をあげていたら、周りには何も決まってないところばかりにいって可哀想と思われていた!?

 
Q.就職してからはどう過ごされていたんですか?

 

SEとして働いていましたが、0から1をつくるのが好きなので、それに少しでも関われそうなものに手を挙げていました。とくに企業派遣制度で慶應義塾大学大学院のMBAを取得したあとは、WEBマーケティングの手法を導入したり、新規事業の立ち上げなどを主にしていました。

 

基本的にどこの部署も人手不足なので、新規になにか立ち上げるときに、「やりたい」と手を挙げると重宝されていました。私自身は「自分だけこんな楽しいことに関われていいのかな」と思っていたのですが、ある日先輩から「エンジニアとしてキャリアを積まないといけないのに、何も決まってもいないつらそうなプロジェクトにばかりアサインされて可哀想」と言われて驚きました。そこで初めて自分のように0から1をつくるのが好きなのは、実は特殊なケースなのかも!?と気付きました。

 

仲間と10人で起業も、失敗!? 自分の課題とリンクしないと山は越えられない


 

Q.タスカジで起業するまで、何か起業をしようとしたことはなかったのですか?

 

じつは慶應でMBAを取得中に、同級生と10人で起業しようとしたことがありました。起業の内容は話し合いで決めて、時間管理が効率的にできるチームウェアのようなものをサービスとして提供しようとなったのですが、その後にすぐにGoogleカレンダーが発表されて、とても勝てないと考えて解散になりました。大人数だと意志決定等に時間がかかりますし、そもそも費用計算が甘かったり、収益モデルを作れなかったなど色々ほかにも失敗した理由もありましたが、私個人としては、自分の課題に密接にリンクしていないと山を越えるエネルギーが沸いてこないというのがはっきりわかりました。

 

1週間で退職決意! 自分も困っていることだからこそ間違わない自信があった

 

Q.一度起業を失敗されたことで、家事代行という自分の課題で起業されたんですね
 

MBA時代に失敗したあとは、挫折感もあって一時期起業したいという想いも薄れていたのですが、新規事業の立ち上げなどをしている中で、自分の困ったテーマでやりたい!という想いが強くなりました。
 
会社員時代にハウスキーパーをWEBで見つけるという体験をしていました。友人から「ネットで知り合った人と直接契約したら、1時間1,500円くらいでやってくれるよ! 欧米では個人間で直接契約するのが一般的だよ。」と聞いて、自分でも探してみました。最終的にはすごくいい人に出会って、生活だけじゃなく人生も変わった! という素晴らしい体験をしたのですが、そのいい人に出会うまでがとても大変で……。みんなに薦めたいけど、いい人に出会うまでの道のりできっとくじける人が多いだろうと思いました。
 

じゃあ、どういうシステムなら、みんなが利用するかと考えたときに「家事代行に特化したマッチングプラットフォームをつくろう」と案が思い浮かびました。そこから1週間で退職する決意を固めました。

 

Q.1度失敗もしている中で、1週間で決意とはすごいですね。

 
何がやりたいか、そしてどうつくるかも明確に思い描いていました。また、もしも失敗したとしても、学びが得られるし、そこにかける時間は無駄じゃないと思えました。でも直感でもう「これはいける!」と思っていましたね。前に失敗したときは、自分のテーマではなかったので、いけるかどうか正直わからなかったけど、今回は自分の中で市場の先行きも見えて、確信がありました。
 

また、夫の収入で最低限の生活はできるというのも大きかったと思います。男性であろうと女性であろうと、パートナーが安定的な収入がある場合は、片方は冒険したほうがいいと。
 
・・・

普通の女の子として育ってきた和田さん。ロールモデルを探していく中で、日々の生活の延長に起業があることを知り、ご自身の困りごとをテーマに起業されました。就職先を選んだのも、一見、起業家を目指すための最短ルートではなかったように見えますが、だからこそ、和田さんの「0から1をつくる」ことへの興味が重宝されて、色々な新規事業を経験でき、和田さんにとってはいいルートになったのかもしれません。この和田さんの等身大の起業は、起業後の課題解決の場面でも発揮されます。この辺りをB面で紐解きますので、お楽しみに!

 
<つづく>

この記事の筆者

yoko koga

こが ようこ

IT企業にてSE、営業として働き妊娠を機に退社。地域でママ向けのイベント・講座を行う団体の代表をしている。 住んでる地域を楽しいところにしたい!という活動を展開中。好きな言葉は「なんとかなる」、子育てモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」。