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2015.10.06

B面:塚原文奈さん(株式会社ブラケット 取締役)「STORES.jp」を育てた企画思考―「企画を立てるときは『自分を消します』」

 

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

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今回の「企画人」は、最短2分でオンラインショップを無料作成できるサービス、「STORES.jp」などを手がける株式会社ブラケット 取締役の塚原文奈さん。塚原さんは、サイバーエージェントで6年のキャリアを積んだ後、個人事業主としての経験も経て、2012年より株式会社ブラケットに参画。それぞれの局面で鍛えられてきた企画力を活かし、個と組織を自由に行き来しながらチャレンジを続ける塚原さんに、その背景や普段の思考方法を聞いた。

 

※記事は【A面—生き方・働き方】と【B面—企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【B面】です。

 

大金を支払わないとECサイトがつくれない状況を、変えるには?

Stores.jp from Stores.jp on Vimeo.:STORES.jpのサービスを端的に紹介した動画。簡潔にサービス紹介をしている動画としてリリース時に業界内外から話題を呼んだ。

 

Q.【A面】では、塚原さんがブラケットに参画するまでのストーリーを伺いました。その後、「STORES.jp」というサービスが生まれた背景は……?

 

そもそものきっかけは、代表 光本が親戚から「自分のお店をネットで持ちたいから、ECサイトつくってくれる?」という相談を受けたこと。当時、ECサイト自体は何も目新しいものではないのに、それをゼロからつくるとなると、インターネットの知識がない人にはハードルが高くて、大金を支払わないと手に入らない状況だったんですよね。

 

そこで、こういう人って世の中にたくさんいるんじゃないかなと。モノを売りたいという人は世の中に大勢いて、リアル店舗もこれだけあるのに、Web側の整備って全然進んでないよね、と話して。もっと誰でも気軽に、ブログをつくるような感覚でECサイトがつくれるしくみがあれば、たくさんの人に使ってもらえるんじゃないか。そんな発想がきっかけで、「STORES.jp」が生まれたんです。

 

中でもポイントは、決済。自分でECサイトを立ち上げるとき、決済のしくみを導入するのってものすごくハードルが高いんです。エンジニアの知識が必須なのは前提で、それ以外にも、自分と代行会社との契約をして……ととにかく手続きが煩雑。だから、そういう面倒くさいことを一切やらずに自分のサイトで決済ができるようになった、というのは画期的だったと思います。

 

飽きられるのも早いWeb業界で「注目され続ける」ために企画したこと

「STORES.jp」のストア運営サポートページ

「STORES.jp」のストア運営サポートページ

 

Q.「STORES.jp」のリリース後、軌道にのせるために工夫したことは?

 

インターネット業界って、サービスをリリースした直後は注目されても、すぐに飽きられて3年後にサービスがなくなっている、という世界。だから、「注目され続ける」というのがすごく大事です。

 

その課題に対して私たちが取り組んだのが、1週間ごとのプチリニューアルによる話題づくり。ストアオーナーズさんのサポートとして、「商品の写真をプロカメラマンが無料で撮ります」、「発送時に使うダンボールをあげます」「名刺つくります」などを連発しました。1個1個は小さいんですが、1週間ごとに連発することでいろんなメディアにも取り上げてもらえて。「ここって面白いことやってるよね」という地位が少しずつできてきたんです。

 

結果、自分たちから働きかけなくても、大手を含めさまざまな企業から「一緒にやりませんか」と声をかけてもらえるようになりました。当時は運営チーム数人でやっていた中で、アライアンスのお声がけが増えたというのは会社としてもとても大きかったですね。

 

一方では単なる話題づくりだけではなくて、まずはユーザーの方々に喜んでいただけることを大切に考えていました。認知アップのための派手な企画というより、地味だけれどユーザーの方々が喜んでくれるサービスを企画し続けたことで、ストア数も伸び続けるようになり、今では30万ストアを超えています。

 

企画を立てるときは、「とりあえず自分を消す」

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Q.塚原さんが、企画を立てるときに意識しているポイント、コツを教えてください!

 

何かアイデアを出したとき、目的がぶれていないかな、というのは毎回見直すようにしています。だから企画について考えるときは、「自分」は消しますね。フォーカスするのは、「ターゲットは本当にそう思うだろうか」ということ。自分を消して、ターゲットになりきる。そんな考え方をすることが多いと思います。

 

あとはやっぱり、他のいろいろなサービスを見て刺激を受けるようにもしています。海外のサイトを見ることも多いですね。文字情報より、画像検索結果などの視覚情報をよく使います。

 

Q.塚原さんにとっての企画とは?

 

企画は、目的を達成するための手段。ちょっとお洒落に言うとスパイスみたいなものですかね(笑)。 企画というと、プロモーションや商品企画というイメージが強いと思うんですが、それは手段の一部。目標達成のために使う、効果的なツールだと思います。

 

おわりに

株式会社ブラケットのミーティングスペース

株式会社ブラケットのミーティングスペース

 

以上、今回の「企画人」は株式会社ブラケット 取締役の塚原文奈さんにお話を伺いました。

 

「数字を達成したい」「サービスに注目を集め続けたい」など、目的を達成するには、どうすればいいか? という思考を何度も繰り返して企画力を磨かれてきた塚原さん。

 

その企画力は会社員から個人事業主を経て、企業の取締役へ、と既存の概念にとらわれずキャリアチェンジをしていく塚原さんの生き方そのものにもあらわれているように感じました。

 

次回の企画人も、どうぞお楽しみに。

 

関連記事:A面:塚原文奈さん(株式会社ブラケット 取締役)/会社員からフリーランスを経て、会社役員に。自由自在なキャリアチェンジで進み続ける

この記事の筆者

なべこ

なべこ

日本でPR会社勤務を経てフィジー留学、オーストラリアで日本語フリーペーパー編集部でのライター、田舎での農場遊牧生活などを経て帰国。現在はライティングや広報まわりのいろいろをナリワイとさせていただきながら、湘南界隈を拠点にゆるゆると生息中。