企画力を上げる冒険
に出るならこちら

冒険に出る

2015.12.02

【企画人:B面】光畑由佳さん(モーハウス 代表)/企画は、アフリカの未開拓原住民型スタイル!?

 

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

光畑由佳さんの画像

 

今回の「企画人」は、授乳服のパイオニア、モーハウスの代表 光畑由佳さん。

 

当時日本になかった新しいマーケットをつくっただけでなく、自社で取り入れた「子連れワーク」が注目を集め、メディアや講演にひっぱりだこ。活躍のフィールドは、大学から行政、ときには政治の場、そして海を渡ったり……と、ボーダレスな幅広い活躍の光畑さんに、キャリアの背景や現在のライフスタイル、企画のコツまで話を聞いた。

 

※記事は【A面—生き方・働き方】と【B面—企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【B面】です。

 

編集者タイプの企画スタイル。川下りのように流れに沿って、あるものを編集

編集している手元の画像

 

Q、あの、単刀直入に「ミツハタ流  企画の立て方、進め方」伝授してください!

 

(すごいひとからすごい答えを期待する浅はかな記者)

 

うーん……特に、ないですねぇ。自分で戦略的に進めるタイプではないんです。企画書もかかないかな……

 

Q、えっ……それだと私たちの企画が成立しないのですが……汗

 

う〜ん、だって私、仕掛けるタイプではないんです。結果、「仕掛けちゃった」的な。ひとりで考えてやっても失敗しちゃうし、計画を立てるの苦手なので、頭のなかでぐるぐる考えてやるのは効率的ではないと思いますね。私自身は「ふつう」なので、すべてをゼロから作ろうとは思っていません。つなぎあわせる編集者です。1から作れなくても、あるものを編集して、時代にあった発信をしていくことが今求められていると思います。

 

企画は「アフリカの未開民族」的スタイル!?発見されることではじまる、周りの反応を拾う、流れをつくる?

モーハウスの看板画像

 

Q、お話を聞いていると、まったく野心を感じませんね。

 

(起業家って、もっとギラギラしていると思っていました)

 

私が「あたりまえ」としてやっていることを、「おもしろい」って言ってくれる人がいたから残ったのがモーハウス「アフリカの未開民族」みたいな感じでしょうか。自分はふつうにやっていたことを、アメリカの白人が見つけて取り上げてくれたような。相手の声に、反応・行動しながら流れつく感じです。

 

「子連れ出勤」はまさにそうで、みんなが興味持ってくれるってことは、情報としての価値があること。それなら続けてみよう、メディアが取り上げたということは価値のあることなのかも……と、小さく軌道修正を繰り返して今に至ります。ただ情報って、新しいから価値があるので、みんなが同じことやると価値がなくなってしまう。良いことは広げたいけど、全員に理解されなくてもいいって思うようなあまのじゃくみたいなところもあります(笑)。

 

企画実現のカギは、ネガティブさとしつこさ!?

光畑由佳さんの画像

 

Q、軌道修正がポイントなんですね。

 

私自身は、ものすごくネガティブでシニカルなんです。なにか新しいことに対しては、できない理由をひと通り考えてしまうほど。人からの提案に対しても真っ先に、「でも」というネガティブワードが浮かぶ嫌なタイプです……。ただ、その「でも」からはじまるからこそ、いろいろなリスク、壁がみえてくる。その壁があるからこそ、どうしたら乗り越えれるか?に思考がいきます。そんなこんなで、ぐるぐる考えながらも、最後はなんとかどうにかしちゃおうという気持ちが常にあります。

 

「できないわよ」って終わらせるのは簡単。否定はしても、そこで終わらない。「でも、なぜできないの?」、「どうしたら乗り越えられるの?」と問いかけるしつこさネガティブさとしつこさはあるかもしれませんね。しいて言えばポイントはネガティブさとしつこさでしょうか?(笑) 私が超ポジティブであっさりとした性格だったら、今のモーハウスはなかったかも?

 

子育てにおいても仕事においても、人を動かしたり、環境を変えていくことって、すっごく時間も労力もかかるじゃないですか。待ってても周りは変わらないから、「だったら自分が楽しんじゃえ!」って行動するのが、一番効率的でラクなんです。いいアイディアは誰でも持ってる。だから結局は「自分がやるかやらないか」だと思っています。

 

おわりに

 

取材を終えて、「おもしろい」「たのしい」「自分にとってのふつう」という言葉が耳に残りました。一見、突飛そうに聞こえる言葉ばかり発する光畑さんですが、その行動にはまったく背伸びや無理がないことが伺えます。「慎重」だとご自身を評していたのも、後から納得しました。また、投げかけた質問に対して、毎回ラグビーボールのように変則的な回答が返ってくるので最初は戸惑いましたが、次第にそれが、私の「ふつう」と光畑さんの「ふつう」が重なっていないからだと気づきました。

 

舗装されているだけのハイキングコースから、ワクワクするけものみちを教えてもらったような感覚です。よっぽど便利でおもしろいのに、「誰かのあたりまえ」しか見ていなかったなぁ。。。そのナナメ上をいく視点こそが、光畑さんしか持ち得ない新しい情報であり価値であることは、言うまでもありません。以上、繊細さと着実さを体現する企画人でした。

 

 

この記事の筆者

さやま あい

さやま あい

中小企業の経営改善業務を起点とし、 現在は、採用・教育コンサルティングから広報領域を専門とする。 巣鴨在住。釣りと料理が趣味の30代。