企画力を上げる冒険
に出るならこちら

冒険に出る

2016.05.12

【企画人:A面】岩崎貴久さん(「月刊サイゾー」 編集長)/24時間「おもしろいなにか」を探す生活。すべてが仕事のヒントになる

 

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

cyzo
 

今回の「企画人」は、株式会社サイゾーで「月刊サイゾー」の編集長を務める岩崎貴久さん。大学卒業後、ジャーナリズムに関わる仕事がしたいと飛び込んだ編集の世界でキャリアを積み、独特の切り口で刺激的なコンテンツをつくりだす「月刊サイゾー」の編集長に。絶えず「おもしろいなにか」を追求し、ほかにない企画を生み出す。その発想の原動力に迫りました。
 

 

※記事は【A面—生き方・働き方】と【B面—企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【A面】です。

 

24時間アンテナが起動。意識しなくても常に“なにか”を探している

cyzo
 

Q.サイゾーさんって、現在たくさんのメディアをお持ちですよね。

 

1999年に「月刊サイゾー」を創刊し、今年で17年目になります。2007年に当時の出版元から株式会社サイゾーとして分社独立、現在紙とWeb合わせて10以上のメディアを運営するに至りました。ほかにも、メディア運営のノウハウを活かしたメディアコンサルティングなどのソリューションも一部、展開しています。

 

「月刊サイゾー」をはじめとした当社のメディアに共通するコンセプトは、「視点をリニューアルする」。そのコンセプトをベースに、男性ターゲット、女性ターゲット、ビジネス系ニュースや健康ネタに特化したメディアなどに分かれています。

 

Q.岩崎さんの働き方とプライベートはどんな感じなんでしょう?

 

僕自身は「月刊サイゾー」の編集長をメイン業務に、別の書籍をつくったり、Webメディアを立ち上げたり、時には広告営業もやってますね。机にじっと座っているタイプではないので、すぐに外に行っちゃう。今って、PCさえあれば外でも十分に仕事できる環境があるじゃないですか。なので、会議だとか発行までの繁忙時期以外はオフィスにはいないことが多いです。まあ、編集長がそんなのでいいのかという意見もありますが・・・・・・。

 

プライベートでいえば、仕事の区切りは特にないかもしれません。いつでも常に頭の中で仕事に関するなにかが動いている気がします。たとえば、郷里の友人が転勤で東京に来たから飲もうぜってなるとしますね。これ、一般的にはプライベートなくくりだと思いますが、彼の仕事の話とか聞きながら頭の中では、「これ記事コンテンツのヒントにならないかなー」って根掘り葉掘り聞いてしまう。でも、編集者ってみんなそうなんじゃないですかね。意識しなくても常になにかを探している。そういう思考回路というのは、とても大切だと思っています。

 

なにをやっていても仕事と結びついてしまうことが、僕は苦じゃないんですね。それは仕事が好きだからだと思います。編集者にとっていちばん苦になるのは、雑誌が売れないことや思った通りの本が作れないことですから。

 

クライアントが「どうせ無理だろう」と思っていたことに対し、私たちが解決法を提案する。そうすると、パッと表情が明るくなるんですよ。確かにこの仕事は、無理難題に頭を抱えることも少なくありません。でも、解決までのプロセスを楽しむという心構えを持つことが大切だと思います。

 

若い時のがむしゃらに働いた経験。それが今の“自由さ”につながった

cyzo

 

Q. もともとこのお仕事を希望していたんですか?

 

大学のときに一年アメリカに留学していたんですが、そのときに興味本位でジャーナリズムを専攻していました。なんとなくそれに近しいものに関わる仕事に就きたいと思って、ちょうど新聞の求人欄にあった編集プロダクションの仕事に応募しました。そしたら受かったんです。

 

普通の大学生だと、編集の仕事なんて知らないですよね。本は読んでいてもどうやってつくられているかとか、意識しないじゃないですか。大手の出版社とかでもないので、待遇の割にはものすごい業務量だったりで、その忙しさにびっくりしました。

 

その会社につとめて数年後、週刊誌の編集部に出向になったんですが、とにかく多忙でした。半年くらいまともな休みなしで仕事していたんですが、不思議と忙しいのは苦にはならなかったですね。それよりも、記事にすごいダメ出しをくらった方が辛かった記憶があります。今思えば、その忙しさはキャリアが短い分、自分の中に知識や経験のストックがなかったから。この時にがむしゃらに働いて蓄積されたものが、今の仕事の幅を広げていることは間違いなく、20代後半でこういう経験ができたのは良かったと思っています。

 

見るもの・触れるもの。周りにあるものすべてが仕事に活かせる

cyzo

 

Q.転職していちばん役立ったものとはなんでしょう?

 

転職して「月刊サイゾー」の編集担当になったんですが、最初は週刊誌と月刊誌のサイクルの違いに戸惑いました。たとえるなら、週刊誌が短距離走なら月刊誌はマラソンみたいな感じでしょうか。発行までの工程の時間配分なんかも違うので、慣れるまでは苦労しましたね。

 

そういう物理的な変化はありましたが、サイゾーは前に担当していた雑誌と取り扱うネタのカテゴライズが同じだったので、そのあたりはスムーズに適応できたと思っています。そこで活きたのが前職で培った知識や人脈。特に人脈には助けられました。どの業界でも同じでしょうが、前の職場と遺恨を残して辞めた人は、次のステージで最大のパフォーマンスは発揮できない。なぜなら、前職で培ったものをゼロにしてスタートするからです。キャリアって蓄積なんです。

 

Q.この仕事に一番必要なものはなんだと思いますか?

 

やっぱり好きなことに尽きると思います。待遇のよい業界の大手企業に勤めている人でも早々と退社する人もいますが、それはやっぱり好きじゃないから、あるいはほかにやりたいことがあるからでしょう。編集者は見るもの・触れるものすべてを仕事のヒントにしていくような職業です。だから、ものすごく単純ですけど大事なことだと思いますね。

 

今は、ネットで検索すれば膨大な知識に、どこにいても簡単にアクセスできます。これだけ情報があふれる時代だからこそ、サイゾーでしか読めないものを考えなければ淘汰されてしまう。特に雑誌のように価格がついているものは、それに見合う情報価値を生み出さなければダメだと思うんです。この情報過多時代にこういう仕事をするには、とにかく好きじゃないと辛いかもしれませんね。

 

以上、【A面】では、岩崎さんのキャリアと仕事に対するスタンスなどについて伺いました。

 

後編となる【B面】では、稀有なコンテンツを生み出す「月刊サイゾー」の企画に対する考え方と、岩崎さんの考える「企画すること」について迫ります。

 

<つづく>

 

 

【企画ラボ、PLANNERSの仲間を募集】
一緒に “企画” を考え、カタチにしてくれる仲間(ライター)を募集中!
詳しくはこちら

 

 

この記事の筆者

戸所奈央

Nao Todokoro

新卒で入社した企業で、イノベーティブな物流・販売と技術専門人材のキャリア創造に携わる。15年ほど広報を軸とした業務を担当し、昨年よりフリーランスとして活動開始。サラリーマン時代には意識しなかった「できることとやりたいこと」を、がっつり考え日々を奔走中。