企画力を上げる冒険
に出るならこちら

冒険に出る

2016.06.08

【企画人:B面】見山謙一郎さん(「株式会社フィールド・デザイン・ネットワークス」 代表取締役)/ネガティブな内容にこそ、課題解決につながる本質的な価値が眠っている

 

【インタビュー「企画人」 】
「企画人」は自由だ。働き方も自由だ。理想と現実のギャップを埋めるチカラ、「企画力」があれば、仕事も、はたらきカタも、プライベートも、人生はもっと自由にデザインできる。多様な企画力を駆使してその人らしい生き方を実現している先人たちを訪ね、「A面:生き方・働き方」「B面:企画のポイント」をテーマに話を聞く。

 

見山謙一郎さんの画像

 

今回の「企画人」は、で「株式会社フィールド・デザイン・ネットワークス」の代表取締役、「事業構想大学院大学」の特任教授、「多摩大学 経営情報学部」の客員教授、「環境省 中央環境審議会(循環型社会部会)」委員、「次世代人財塾・適十塾」塾長など、何足ものわらじを軽やかに履きこなす見山謙一郎さん。銀行マンとしてスタートさせたキャリアは、環境ビジネス、地域活性化、途上国ビジネスの戦略立案、起業家育成や新事業の創造など自身でも予想しなかった分野へ幅を広げ、現在進行形で新たな道を築き上げている。絶えず思考を回転させ、発展的なアイデアを生み出す秘訣として出てきたキーワードは「つなげる」ことと「リバース(逆転)」の視点。この2つを用いることで世間にどんな化学反応を起こすことができるのか、見山さんの「企画力」の内側に迫る。

 

※記事は【A面—生き方・働き方】と【B面—企画のポイント】の2回に分けてお届けします。本記事は【B面】です。

 

世の中の全ての出来事は必然。常に思考を回転させることで、想像力を膨らませる

見山謙一郎さん

 

Q. 見山さんは「ビジネスに想像力を」という言葉を提唱されていますが、想像力を膨らませるために普段から意識していることはありますか?

 

「世の中に偶然はない、必然だけだ」と思い込むことで、思考を常に回転させています。すべての出来事には意味があって、自分に対する何らかのメッセージが込められていると考える癖をつけるんです。例えば、朝寝坊して会議に遅刻しそうになったときでも、「今日のミーティングは謙虚にいけよってことなのかな」と寝坊した意味を考えてみたり(笑)。

 

ものごとの「出来ない理由」や「なんで寝坊しちゃったんだろう」という悲観的なことを思うと思考が止まってしまうので、「どうやったら出来るようになるのか」、「この出来事にはどんな意味があるのか」ということを考える癖をつけるだけで、想像力が鍛えられていると思います。

 

Q. 「世の中の出来事は全て必然」と思うようになったのはいつ頃からなんでしょうか?

 

ap bankでクリエイターやアーティストの方々と一緒に仕事をした経験が僕の人生を大きく変えました。印象深いのはミーティング。彼らの中には「この時間までにこれを決めよう」という予定調和はまったくなく、とにかく思ったことを口に出しあうことで無限大にアイデアを膨らませていくんです。

 

僕はそのときに、モノゴトは頭で考えるのではなく、心で感じればいいんだと思えるようになりました。それからすべてのモノの見方が変わり、一見ネガティブな出来事に関しても、それが起こった意味についてポジティブに考えられるようになりました。

 

「リバース・イノベーション」を意識して色んな人をつなげていきたい

適十塾 ami tumi

自身が塾長を務める「次世代人財塾・適十塾」の学生たちとバングラデシュに渡航した際に現地の小学生たちと撮影した写真。「適十塾」では、バングラデシュ最大のアパレルブランドAarongの職人に布わらじの作り方を指導。現地で製造された布わらじは、塾生自らが日本国内で立ち上げた女子大生発のブランドami tumiの商品としてweb等で販売している。

 

Q.現在取り組まれている途上国ビジネスの企画は、どのように企てているのでしょうか?

 

途上国で起きたイノベーションが先進国に新たな革新をもたらす「リバース・イノベーション」というキーワードを意識して、色んな人たちをつないでいきたいと思っています。大戦後にリバース・イノベーションを実践してきた日本人だからこそ途上国に寄り添ったビジネスを提案することができ、日本にとってもともに成長する機会になるのではないかと考えています。

 

ただ、今の途上国でのビジネスというとCSRの延長線上のようなものとして見られがちなのが現状です。それだと良いことをしているという自己満足のようなもので終わってしまうことも多く、途上国の本当のニーズを満たすまでにはいたっていません。

 

途上国が本当に望んでいることは、現地できちんと雇用を作り、ビジネスとしてきちんと確立させること。事業が現地にしっかり根付けば、リバース・イノベーションも実現できると思っています。

 

Q.途上国でのビジネスを確立させるために、どのようなことを行っていますか?

銀行出身でビジネスにおけるお金の流れが刷り込まれている僕の役割は、途上国で確立するビジネスモデルを作り、そのモデルを企業への提案という形でつないでいくことだと思っています。もう1つの役割は成長著しい途上国と日本をつなぐこと。つい先日も、途上国を「リバース・イノベーション」というキーワードで括り、政策や研究会等を立ち上げてみてはどうかという提案を経済産業省にしてきました。

 

企画を立てるには「本質的課題の発見」と「リバース」の視点が大事

見山謙一郎さん

 

Q. 良い企画を生み続けるための「秘訣」ってあるのでしょうか? 

2つあります。1つは「本質的課題の発掘」一般論や表層的なものではなく、もう一歩踏み込んだ本質的な課題を見つけることで企画を生むヒントが見えてくることがあります。

 

「本質的課題の発掘」に関するエピソードで今でもよく覚えているのは、ap bankにいた頃に携わったゴミ袋のデザインをするというプロジェクト。モノに対する愛情がなくなっているという「ゴミ」の本質を明確にすることでゴミ袋の定義を再定義することができ、今までにない新しい企画を生み出すことができました。

 

もう1つは「リバース・シンキング」。ポジティブなものには実は課題がはらんでいて、ネガティブなものにこそチャンスがあるという考え方です。ネガティブな要素を出しきった後、それら一つ一つをポジティブなものに変換することで、そのモノの持つ本当の価値が見えてくることがあるんです。これは僕の講義でもとても好評なので、企画を考えるときにおすすめ。ぜひ一度試してみてください。

 

おわりに

 

異なるもの同士を「つなげる」ことが自らの役割だと公言し、全く新しい価値を生み続けることに邁進する見山さん。

 

常に勇気を持って一歩踏み出し、期待に対して120%で応え続けてきた結果、自身でも思いもよらなかった方向に活動の幅が広がってきたのだろう。

 

「世の中の出来事は全て必然」という思考のもとで常にポジティブな想像力を膨らまし続け、常に前向きな発想でどのような仕掛けを企てていくのか。今後も、見山さんの活動から目が離せない。

 

※今回登場した企画を考える上で大事にしたい「本質的課題の解決」、「リバース・シンキング」に関しては、より具体的なエピソードを、後日まとめてアップする予定です。

 

【企画ラボ、PLANNERSの仲間を募集】
一緒に “企画” を考え、カタチにしてくれる仲間(ライター)を募集中!
詳しくはこちら

 

 

この記事の筆者

島袋芙貴乃

Fukino Shimabukuro

編集者・ライター 月刊ライフスタイル誌の立ち上げ・編集、ブライダル情報誌の編集を経て2015年10月よりフリーランス活動を開始。プライベートでは海、山、星空、夕日が落ちるタイミングのマジックアワーが好きで、旅行は自然を満喫派。邪念を払って毎日ありったけの感謝だけを感じて生きることが夢。