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2016.07.28

【企画の本】アイデアの神様はアイデアを考えぬくと降りてくる(前編)

企画の本 USJ

 

シゴトクリエイターの大橋です。

 

企画人コーナーでインタビューいただいたというご縁から、「企画力があれば世の中もっと楽しい」という趣旨に強く賛同し、この書評コラムを書かせてもらいました。楽しんでもらえれば嬉しいです。

 

※記事は(前編)と(後編)の2回に分けてお届けします。本記事は(前編)です。

 

紹介する本

 

今回ご紹介する、この本イカしているという本は、「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」(森岡毅著)という本です。簡単に内容をいえば、ユニバーサルスタジオジャパンというテーマパークが2009年からガンガンV字回復していくのですが、その有様を現場視点、マーケター視点、戦略視点で書かれた躍動感ある一冊です。

 

詳細な内容は当然本書を読んでもらうとして、今回はシゴトクリエイターとして、企画やアイデアとして使えそうな部分を取り上げてみます。ぜひアイデア出しに使ったり、ビジネスの精度を上げたり、日常の過ごし方に面白さを入れてもらえればうれしいです。

 

本書で、とくに「アイデア出し」については、「第6章 アイデアの神様を呼ぶ方法」ということで、約50ページほど割かれています。アイデアの神様がいるかいないかはおいておいて、いるとした場合、神様が降りてくるのは当然考えぬいた人のみです(笑)楽してアイデアを出そうなんて思わないでください。森岡さんもそんなメッセージを投げかけていると思いますよ。

 

アイデアを生み出す思考法、イノベーションフレームワークとは

イノベーションフレームワークの画像
 

著者はイノベーションフレームワークということで、

 

  1. フレームワーク
  2. リアプライ
  3. ストック
  4. コミットメント

 

このアプローチでやると良いと提案しています。なお、著者は四角い頭であり凡人であると称しています。このやり方は、基本的に誰でも出来ると思いますが、多くの人は1の部分で間違えていたり、2で他から適用しなかったりするという指摘もされています。

 

順に簡単に概要を追っていきましょう。

 

1.フレームワーク アイデアを出す大枠を決める

 

フレームワークは、戦略的、数学的なことに分けられます。数学的とはいわゆるMECE(ミーシー、もれなくダブりなくってやつですね)が近いです。戦略的とは、目的があり、その上で戦略があり、最後に戦術=アイデアがあるという考え方です。なおフレームワークとは、考え方の大枠というような意味合いですね。概念など考え方ってふわふわしてしまうので、ぎゅっと枠にはめるとわかりやすくなります。

 

数学的なアプローチも本書で触れられていますが、簡単にいえば「宝探しをどう効率よくするか」と考えてもらえばオッケーです。100平米ある土地があって、左半分、右半分を50平米でわけて左半分を掘る。この時に、無計画でやると、左半分を途中で終わらせて右半分に着手したりすることが起こりえますが、それは非効率ということになります。逆に言えば、左半分をまず50終わらせたら、必ず宝があるという前提ですが、右半分の50にあるというような感覚です。伝わりますでしょうか?

 

論理的といってもいいと思います。明らかにそれはずれているのに、情緒的に判断してしまうということがロスにつながるならまだしも、ありえない宝を探してしまうことにもなりかねません。

 

戦略的フレームワークとしては、目的、戦略、戦術というシンプルさです。本書では、図解でまとめられているのですが、以下紹介しますね。(P.147引用)

 

  • 目的:1000万人レベルの年間集客の達成

     

  • 戦略:ファミリーを獲得する
    【ファミリー層を獲得する必要条件】

  1. 「小さな子ども連れは楽しめない」という消費者の認識を覆すものでなくてはならない
  2. 実際に数割増えるであろう集客に十分な収容キャパがなくてはならない
  3. 設備投資資金の予算内で実現できるアイデアでなければならない
  4. 既存資産とのプラスの相乗効果で経営効率を高めるアイデアであればなおよい

 

  • 戦術:新ファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」の建設

 

というのが実際の例であり、成功した一つの例となります。

 

よくある話なのは、目的も戦略も決めたけど、戦術としてのアイデアを考えていくと、それ絶対現実的に無理じゃないか?という場合です。その場合無理に当てはめてもダメでしょう。ここではあまり触れられていませんが「発散と収束」ということは省略されているか、戦術レベルでのやり取りについてはそこまで触れられてないと思います。

 

著者が言うには、ここで「ファミリー」を獲得する戦略としているので、「シニア」層を集客するアイデアとして巣鴨でアピールするとか、そういうアイデアは前提として考えなくて良くなります。これは考えるリソースの節約になる以上に、ぶれずに目的を達する最短の道、または最も注力したいポイントに力を注げることになります。

 

ここでフレームワーク症候群(フレームワークに当てはめることが目的となり、それを活用できてない状態)に陥らないためにどうこのフレームワークが使えそうかを考えてみましょう。

 

日常の例でフレームワークを活かす

ひらめきの瞬間
 

例えば、日常の仕事をもっと面白くするためにではちょっと弱いので、日常の仕事で「面白いよね、それ」を毎日1回言えるようにすることを目的としてみます。

 

このための戦略として、人を巻き込むのか、Webサービスを活用するのか、自分の環境や行動習慣を変えるのか、色々な戦略が考えられます。例えば、「人を巻き込む」としてみます。その上で、戦術アイデアとしては、「同僚にも面白いねよね、それという話をして同僚を巻き込む」「自分のブログで面白いよね、それ習慣を始めたことをアップする」「まずTwitterでつぶやく」などアイデア自体は小さいですがそういうことが考えられます。アイデアの大きさなどもあるのですがここでは省略します。

 

まとめてみます。

 

日常へ活かす例

 

  • 目的:日常の仕事で「面白いよね、それ」を毎日1回言えるようにする
  •  

  • 戦略:人を巻き込む
  1. お金は無駄にかけてもしょうがないので今できるお金でやる
  2. 自分だけではやる気がでないので、誰かを巻き込む

 

  • 戦術:
  1. 「同僚にも面白いよね、それという話をして同僚を巻き込む」
  2. 「自分のブログで面白いよね、それ習慣を始めたことをアップする」
  3. 「まずTwitterでつぶやく」

 

という形でしょうか。フレームワークに当てはめることで少し違った視点や何に注力したらいいか、それが見えれば十分だと思います。実際にこれが出来るかどうかは・・・・・・想像通り、あなたのコミットメント(宣言や誓いなど)によります。

 

なお本書では戦略=必要条件といっています。条件というと慣れてないと条件設定が難しくてここで終わりそうですので、方向性というのがいいと思います。ドラクエ的にいえば「ガンガンいこうぜ」なのか「いのちだいじに」なのかでやり方が変わりますよね?しかし、モンスターを倒すことに変わりはない。そういう視点で解釈をしていかないと、使いづらくなりますよね。

 

2.リアプライ 他の知見をどんどん活かす

 

リアプライとは、再び適用するという意味です。要するに、他から参考に出来るものを探してそれを適用できないかを考えます。著者が言うには、日本だとそういう参考にしたものを適用する感覚が弱いというようなことをあげています。世界中のどこかに似たような問題を抱えている人がいるという、まさにインターネット的という視点ですが、それがあるといっています。

 

スパイダーマン・ライドを4K3D(高画質立体映像)にしたというケースでは、ユニバーサル・オーランドで先行していたアイデアをリアプライしたそうです。

 

昨今ではパクるという言葉が横行しすぎたのか、アイデアに対してそれをリアプライするとかいう感覚が持ちづらい印象もあります。でも、普通に考えてそのアイデアいいなと思ったら参考にしたほうがいいわけで、そのままやっちゃダメなんですけど、その違いが何かというのもよく議論のネタになりますよね。

 

すごく簡単でそのまま持ってくると単なるコピーです。コピーは多くはオリジナルには勝てないわけです。稀に勝ってしまってトラブルになりますがそれはおいておいて、普通の確率ではコピーは負けます。

 

リアプライという言葉は覚えにくいのであれば、徹底的に人様のアイデアを真似る、そして活用すると捉えればいいと思います。

 

さて、前編では、森岡さん流「アイデアを生み出す思考法、イノベーションフレームワーク」の中でも、「フレームワーク」と「リアプライ」について紐解いてみました。後編では、「ストック」、「コミットメント」について迫りたいと思います。ぜひお楽しみに!

 

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この記事の筆者

大橋 弘宜

大橋 弘宜

シゴトクリエイター大橋弘宜。アイデアを形にすることをモットーに、新規事業相談などのビジネスを手がけている。最近はWebサービスというアウトプットで遊んでいます。 ブログ:新規事業アイデアコンサル シゴクリ http://readmaster.net/