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2017.06.09

地方と都会を結び、外からの視点で地方のお宝を発見する! NPO法人南房総リパブリックの企画力

 

先日、東京と南房総の二地域居住しながら、「NPO法人南房総リパブリック」を立ち上げられた馬場未織さんのお話をうかがいました。(馬場さんの2地域居住のお話はコチラから)そこで、NPO法人南房総リパブリックの活動の地域課題を1つずつ外部視点で解決してきた企画力についてお話を聞きましたので、ご紹介します!

 

東京に地方の美味しさを伝えるカフェオープン

洗足カフェのある日のメニュー


 

Q. NPO法人南房総リパブリックでは、前回の記事で伺った里山学校のほかに、洗足カフェを運営されていましたよね?

 

南房総で、農家さんがつくった料理を食べ、食材の素晴らしさを知って、とれたての現地で食べる新鮮な食事の美味しさや南房総の魅力を東京の人にも伝えたい! として、始まったのが洗足カフェです。その名の通り、目黒線の洗足駅にあるカフェです。

 

Q.なぜ洗足を選ばれたんですか?

 

洗足にはカフェがないことや、小さい子を持つママや高齢の方が美味しいものを食べられて集える場になってほしいという想いからです。そこで、コミュニティカフェという形をとった南房総のアンテナショップをつくろうと思いつきました。

 

Q.新鮮さにこだわった美味しいものをってことでしたが、新鮮さではどのような工夫をされたんですか?

 

南房総から洗足より先のお店に野菜を運んでいる八百屋さんと知り合いになり、とれたての野菜を真夜中に洗足に運んでいただくことになりました。

 

食の経験者がいない!! 逆転の発想がさらなる広がりを生む

 

Q. カフェ運営は、どうだったんですか?

 

NPOメンバーには飲食経験者がいなかったこともあり、コミュニティカフェとして1週間毎日異なるオーナーさんがいる、という『日替わりオーナー制』をとりました。そうすることで、週1だけでも働ける地域の雇用にもなりますし、農家さんとつながるシェフが増えるという利点がありました。農家さんとは、シェフの方達を連れた農家さん訪問ツアーなどでつながれる場をつくりました。

 

洗足カフェは2014年で閉店となりましたが、ここで活躍してくれたシェフの方達が各地でお店を開いてくれて、いまだに農家さんとの繋がりを持ち続けています

 

いま、南房総リパブリックとしては、食の二地域交流として、飲食関連の方を連れた南房総ツアーを行い、農家さんとの関係づくりに注力しています。

 

空き家という課題の解決から生まれたエコリノベワークショップ

エコリノベワークショップ風景

 

Q. そのほかの事業をされていますか?

 

あるとき、市から空き家調査を任されたことがあり、南房総市の約6,000軒のうち、オーナーが市外在住者である3000軒の空き家を調査しました。空き家にしている理由には「そもそもどうしていいのかわからない」など様々な理由がありました。現在、移住者や二地域居住者の誘致は自治体もやっており、空き家とのマッチングも進めようとしていますが、なかなか需要と供給が結びつかない。
 

一方、わたしが実際に築100年以上の古民家に住んでいて思うのが、古民家自体の居心地をあげる必要性です。古民家は、ほぼ無断熱です。南房総でさえ、冬は室温が5度、ということもあります。。だれもがそれをあたり前のこととして受け止めていましたが、もし古民家でも断熱改修ができたらどうだろうか? と思い立ちました。
 
ただ、断熱改修は、プロに発注すると、1棟でおよそ700万円くらいかかります。居心地は大事だけど、目に見えない部分なので、疎かになるところです。そこで、ZEH(ゼロエネルキーハウス)を設計した建築家に相談すると、「古民家を、お金をかけずに断熱改修する・・・面白そうだな、やってみようか」と乗り気になってくださって、DIYでの施工を取り入れた手法を確立している設計施工家にも声をかけ、南房総リパブリック主催で「DIYエコリノベワークショップ」を開催しました。

 

このワークショップはとても盛況で、全国から参加者が集まり、その後各地域で実際にリノベ―ションをするなど、知見が全国に広がりました。この様子を地元の方達が見て、自分たちの土地の良さを感じていたのが嬉しかったです。また、南房総でもDIYマフィアと自称している集団ができて、昼間は友人の家のリノベーションを行い、夜はその家で宴会をするという暮らしの楽しみ方が生まれています。

 

おわりに

馬場さんは今、廃校利用の事業計画しています。長年使い手が見つからず、いよいよ更地にして売ろうとしていた市に対し、山の麓にある魅力的な建物であること、古い建物を残してこそできることがある、ということを伝え、地元で活用できるよう働きかけているそうです。
 
里山学校や洗足カフェは東京の人にも南房総の良さを伝えたい! という“東京の人”に焦点があったように感じましたが、洗足カフェを通して始まった食の二地域交流やその後のDIYエコリノベワークショップ、廃校プロジェクトは焦点が”南房総の人”に移ったように感じました。そして「内から見ると気づかないけれど、外から見たらお宝のようなものを発見し、生かしていく動きをつくることで、今までの二地域居住でお世話になった方々・地域に恩返しをしていきたい」と最後にお話されていました。馬場さんは地域の課題に自分なりの答えを見つけ、軽やかな行動力で周囲を巻き込み、1歩1歩着実に解決しているところが印象的でした。

この記事の筆者

yoko koga

こが ようこ

IT企業にてSE、営業として働き妊娠を機に退社。地域でママ向けのイベント・講座を行う団体の代表をしている。 住んでる地域を楽しいところにしたい!という活動を展開中。好きな言葉は「なんとかなる」、子育てモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」。