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2017.11.17

20歳から77歳まで! 異業種で複数会社をかけ持つ小友康広さんの人材マネジメント術


 
「越境人」の連載でご紹介した、岩手と東京という場所をこえて、さらにITベンチャー、木材店、まちづくりと業種のボーダーをこえて活躍する小友康広さん。ITベンチャーで2年目から部下を持たれた経験や、木材店で20歳~77歳の方をマネジメントしている、その人材マネジメント術についてうかがいました。
 

大事なのは、正論ではない! 相手の行動モチベーションを探る

 
Q.複数の事業を手掛けている小友さんは、多様な世代、価値観の方と一緒にお仕事をされるかと思いますが、心がけていることはありますか?
 
相手の行動におけるモチベーションの源泉はなんなのか? ということを探ることです。社会人2年目のときに初めて部下を持ったのですが、結局その部下は当初いた営業部門では中々成果を出せずに、サポート部門に異動しました。今はそこで活躍してくれていますが、同じようなことが他に2-3人ありました。そこで、なんでうまくいかないのか? と、社内でマネジメントがうまいと言われている先輩に聞きに行き、「お前は正しいか正しくないかを大事な判断基準にしているでしょ?」 と、指摘を受けました。さらに言われたのが「大概の人はそうではなくて、かっこいいかどうか、気持ちよいかどうかで物事を判断しているから、そういう気持ちを理解してあげないとダメだよ」と。もう「ほー」という気持ちでしたね。
 
そこから、その人の大事にしている価値感、行動のモチベーションになるものは何なのか? というのを探るようになり、その価値観にそって仕事を依頼することですごく円滑にマネジメントができるようになりました。この経験があったので、木材店で70代の方と仕事をしていく中でもうまくいきました。
 

ゆずれないこと以外はすべてゆずり、ゆずれないことは絶対ゆずらない! それが一貫性につながる

 

 
Q.相手の行動のモチベーションをまずは探るのですね。そのあとはどうしていますか?
 
その人が何に対して重要度を持っているのかを探り、ゆずれるものは全部ゆずります。そしてゆずれないものだけは、ゆずらない。絶対ゆずれないことは、どんなことがあってもゆずらないようにしています。そうすることで、一貫性が生まれます。一貫性があれば、上司の頭の中はメンバーには見えるようになり、「これはやった方が良い」とか「この判断はこうすれば良い」と上司に聞かずとも判断軸ができて自発的な行動がどんどん生まれます
 
とあるIT企業が「優秀な上司の共通点」を社内でデータ分析したところ「一貫性(行動や言動が予測可能であること)」という結果が出たそうです。この一貫性を意識して、今20歳~77歳までマネジメントしていますが、たいていなんとかなります。
 

言行一致でフルオープンに!

 

 
Q.一貫性が2つ目のキーワードですね。ほかには何か小友さん流ポイントはありますか?
 
それは、旗を掲げていると、来る人は来るということです。こういうことをやりたいんだ! と旗を掲げて、そこに向かって一生懸命実績を積み上げていけば、共感する人は来ると、木材店の従業員の世代交代のときに感じました。
 
木材店を継いだ際、従業員の年齢は60歳~74歳で、これは世代交代が必要だと。そして今は20歳~50歳くらいの間に転換しました。新しく入社してくれた方達は、もともと働いていた工場長の息子さん、その友人、そしてその友人の飲み仲間と人づてで来てくれました。リファラルリクルーティングみたいなものですね。また20代の方は、私のインタビュー記事から会社のHPを見て、応募して来てくれました。皆さん「当社はこうなっていきたい。だからこういう志をともにできる人が必要」というメッセージを知り、共感してくれたのでご応募頂くことができました。
 
Q.マルカンビルの事業では多くの方の協力が必要かと思いますが、旗を掲げて人を巻き込んでいったのですか?
 
「巻き込んでいこう」と思ってはいません。「主体者として大食堂を残したい!」はなく、「巻き込まれたらやるけど、基本誰かやって頂戴精神」の人しかいないなら、そもそも復活なんか出来るわけない! と思っていました。こちらから頼まないと動かないような人がたくさんいても意味が無いので。なので、「我々は今これをやっているし、今後こういうふうにやろうと思っている。共感して、一緒にやろう! と思う方、集まってね」というメッセージを発信していました。
 
コンセプトとビジョンがあってそれに共感する人が集まる。ただそれには言行一致は必須条件です。
 
言行一致ができていない人が多いので、それが差別化にもつながります。メッセージはシンプルに。そして逐一報告します。失敗したこと、できていないこともフルオープンに
 
Q.小友さんはお話しをうかがっていて完璧主義なところがあるように感じましたが、フルオープンは難しくなかったですか?
 
完璧主義とフルオープンは対立概念じゃないと思っています。そして、私は全部自分でやりたいというより、プロジェクトの成果や価値を最も高めたいと思っています。元々はそういう思考ではなく、極論を言うと、人類で一番優れた人間になりたかったのですが、それは、スターティアグループでマネジメントやビジネスをやらせてもらい、諦めました。やっぱり一人でできる限界はすぐに来たので
 
ビジネスマンとして様々な方と接して行く中で、プロジェクトの成果や価値を最も高めるためにはすごく優秀な人がトップであることよりも、誠実で信頼できる人がトップであるというのがとても重要だと思いました。では、信頼がある人はどんな人なのか? と考えると、悪いときに情報開示をして、謝罪や、対応策を逃げずにできる人です。だから、自分もそうあろうと思います。良いときも悪いときも全部フルオープンでいることが、1番信頼を勝ち取る方法なのだと思います。
 

おわりに

 
小友さん流の人材マネジメント術のポイントは
 

  • 相手の大事にしている価値感、行動のモチベーションを探る
  • ゆずれないもの以外は全部ゆずる、ゆずれないものは何としてもゆずらない一貫性
  • 旗を掲げて、一生懸命実績を積み上げれば、共感する人は来る
  • 誠実で信頼される人に。言行一致でフルオープン

  •  
    の4点でした。
     
    これは、どれも人材をマネジメントする立場の人だけではなく、通常の人間関係でも必要なことだと思いました。特に最後のフルオープンというのは、なかなか難しいですが、とても大切なことなので肝に銘じてやっていきたいと思います。

    この記事の筆者

    yoko koga

    こが ようこ

    IT企業にてSE、営業として働き妊娠を機に退社。地域でママ向けのイベント・講座を行う団体の代表をしている。 住んでる地域を楽しいところにしたい!という活動を展開中。好きな言葉は「なんとかなる」、子育てモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」。