自衛隊・自治体・企業団体が参画し、学生と防災を考える「みんなでつくるアタラシイ防災」開催レポート
Plannersでは、様々な社会課題に取り組む学生団体や自衛隊、自治体や企業などとともに、2月25日(日)に北千住マルイ11Fにて、「みんなでつくるアタラシイ防災」イベントを開催しました。 雨天にもかかわらず、未来世代や⼦ども連れの40-50代の⽅を中心にたくさんの方が来場くださり、日常の延長で前向きに楽しみながら備えられる「アタラシイ防災」のかたちを考えるきっかけとなるイベントとなったのではと思います。この記事では、そんな「みんなでつくるアタラシイ防災」イベントの様子をレポートします。
「みんなでつくるアタラシイ防災」の開催背景
Plannersでは、これまでも阪神淡路大震災と東日本大震災での被災経験から、「日常で取り入れられる防災グッズであれば多くの人に使ってもらえるのではないか」と考え、フェーズフリーな防災アイテムである防災ホイッスルや、防災ふろしきなどの企画・販売を行ってきました。
昨年11月と今年1月には、防災について活動する学生団体や個人のPlannersコミュニティメンバーとの「未来をつくるブレスト会議」にて議論を重ね、今後、備えを広めるためには、備えることの重要性を啓発するだけでなく、楽しみながら備えることができるような、「アタラシイ防災のあり方」を広めていくことが必要であると考えてます。
これらを踏まえて開催したイベントが、日常の延長で前向きに楽しみながら備えられる「アタラシイ防災」のかたちを提唱し、考えるきっかけをつくる、この「みんなでつくるアタラシイ防災」です。
アイデアや工夫をこらした「アタラシイ防災」のかたち
「みんなでつくるアタラシイ防災」イベントでは、Plannersの#アタラシイ防災展、様々な社会課題に取り組む学生団体(carutena、Genkai、MGCloset、NAMIMATI、Youth Gender Studie)、自衛隊、足立区、足立区社会福祉協議会総合ボランティアセンター、トラスティア株式会社のコンテンツを通じて、備えることの重要性を啓発することはもちろん、楽しみながら備えることができるような「アタラシイ防災」のかたちが提唱されました。
アイデアや工夫をこらしたコンテンツの数々を順にご紹介します。
#アタラシイ防災展
会場に入ると最初に目に入るのが、メインビジュアルでもある#アタラシイ防災展です。学生を中心に募集した、日常でも災害時でも活用できるアイテムの活用アイデア、日常から備える防災アイデアをデザインに落とし、一面に展示しました。来場したみなさんが足を止めて、ひとつひとつをご覧いただいている様子が印象的で、新しい気づきや面白いアイデアを見つけてもらえたのではと思います。
学生団体によるコンテンツ
carutena
様々な社会課題に取り組む学生団体によるコンテンツは、まさに「アタラシイ防災」!というアイデアが表現されていました。順にご紹介します。
carutenaは不要になった消防服と消防署で使われていた制服から巾着を製作するワークショップを開催。参加された方は生地選びから楽しそう!思い出になるポーチができたのではと思います。
Genkai
Genkaiはアタラシイ防災体験やアウトドア用品展示を通じて来場した方と会話をし、制服姿のメンバーが活動や想いを伝える姿が印象的でした。
MGCloset
校内で回収した古着等を活用した、古着×防災ファッションを展示していたのはMGCloset。レインコート、オーバーオール、無線ベストがおしゃれな着こなしにコーディネートされていて、自衛隊の方から「反射板がついていたりと、よく考えられている」と賞賛されていました。Plannersの防災ふろしきも良いアクセントに!
NAMIMATI
NAMIMATIが掲げたテーマは被災生活を体験できるサステナブルでおしゃれなおうちキャンプ、その名も「#家キャン」。特にトラスティア株式会社提供の防災グッズを使ったNAMIMATIならではのおしゃれなアイデアや見せ方には、アウトドア好きの方も興味を示していました。
Youth Gender Studies
Youth Gender Studiesは災害時のジェンダー問題や女性向け防災グッズ・防災バッグについての展示を通して情報発信。ポップな印象のクリエイティブが目を引き、そのメッセージも多くの人に伝わったのではと思います。今まで意識しなかった観点だと仰って、展示してある防災グッズを手に取っている女性もいらっしゃいました。
自衛隊によるコンテンツ
自衛隊のコンテンツは「能登半島地震」写真の展示、VR体験ブース。国民の生命と財産を守る自衛隊の仕事を知り、地震の恐ろしさを学びました。それだけでなく、迷彩服や制服を着て写真が撮れるフォトブースコーナーがあったり、自衛隊東京地方協力本部のマスコット「トウチ」君も登場したりと、未来世代が親しみを感じるコンテンツも充実していて、さすが自衛隊という感想もたくさんいただきました。
足立区、足立区社会福祉協議会総合ボランティアセンターによるコンテンツ
足立区からは防災ビンゴや、能登半島地震の写真パネル展示、防災アプリの登録サポートもあり、自治体ならではのコンテンツに来場者が集まっていました。そして北千住マルイの1Fでの起震車体験も!誰もが想像を超える揺れに驚き、危機感や防災への思いを新たにしたのではと思います。
足立区社会福祉協議会総合ボランティアセンターのエリアでは、幅広い年齢層の方が参加できる足湯マッサージや車椅子に乗ってみる体験が行われていました。特に車椅子は、相手の立場になって考えることを身をもって知る良い機会になったとの声も!
ブックオフ、⼤塚製薬特別ブース、Plannersのコンテンツ
会場内にはブックオフ「キモチと。」の防災寄付BOXを設置いただき、みなさんの本棚に眠っている本やCD・DVDなどを入れてもらうよう呼びかけました。「キモチと。」は、様々な団体等に寄付、応援、支援することができるブックオフの宅配買取サービスを活用した取り組みです。今回は能登半島地震への支援ができるというころで、Plannersメンバーも不要になった本を持参してBOXに入れました。
⼤塚製薬特別ブースではカロリーメイトを使ったジェンガ体験が大盛り上がり!高さと速さを競って、みなさんが真剣な表情でチャンレンジしていました。
PlannersではSNS投稿者とエポスード入会の方を対象に、防災グッズが当たる防災ガチャを実施。特に子供達からの熱い視線を感じながら、楽しんでいただけたのではと思います。能登半島地震への募金には計7,992円をお寄せいただきました。集まった募金は、石川県観光大使であり、モンサンクレールオーナー辻口博啓氏によって2024年3月に石川県知事にお渡しいただきます。
コラボレーション満載の企画コンテンツも大好評でした
今回の「みんなでつくるアタラシイ防災」イベントのユニークな点は、様々な社会課題に取り組む学生団体、企業、地域が「ともに」アタラシイ防災をつくる、ということです。出展者同士のコラボレーションも紹介します。
自衛隊と学生団体のトークセッション
14時からのトークセッションは2部形式で開催されました。
前半は、⾃衛隊の辻本さんと学生団体Genkaiの橋本さんの対談です。辻本さんは公助、橋本さんは共助、という各々の観点から経験を共有いただきました。
対談では、「自衛隊は365日、国と国民の命・財産を守るために訓練をしている。でも、自衛隊は災害後にしか派遣されない。普段から備えられるのは自分。」という辻本さんの発言が印象的でした。また具体的に、支援を受けられないもの、たとえばお薬やコンタクト、家族の写真への備えや、家族で集合場所を決めるときは3日後の集合場所を決めておこう、というアドバイスも、今回初めて聞き、勉強になりました。
橋本さんからは4つの勇気(生きる勇気・逃げる勇気・声を上げる勇気・信じる勇気)を掲げていただき、発災時に命を守るために必要な心構えを再認識しました。経験のあるお2人だけに、説得力のある対談だったと、多くの方から好評をいただきました。
後半はクロスセッションということで、⾃衛隊の辻本さんと、各学⽣団体の代表者にも参加いただき、自団体の紹介や展示に対する感想を交換しました。学生たちに対して、辻本さんから積極的な感想や質問が投げかけられ、活発なコラボレーションの時間になりました。
みんなで参加する防災訓練
トークセッションで盛り上がった後は自衛隊とGenkai主導で防災訓練にチャレンジ!
集まった方々と、まずは担架づくりを試みますが、これがなかなか難しい。人を運ぶのがいかに大変かを実感しました。またビニール袋で三角巾をつくる方法など、危機管理のプロである自衛隊から災害や事故の時のお役立ち知識を学ぶことができました。続いてGenkaiからは、消火器(実際は空の状態のものを使用)の使い方をレクチャー。消化器の使い方はピン・ポン・パン、だそうです。覚えておきましょう。会場にいる人が参加して、実際にやってみる、ユニークな防災訓練になりました。
みんなで考える「アタラシイ防災」のかたち
来場したみなさんが、自分ごととして真剣に、同時に笑顔で参加している姿がとても印象に残っています。私たちPlannersにとっても、多くの方からサポートやアイデアをもらい、発見と学びの多いイベントになりました。
今回のイベントが、防災を身近に捉え、楽しみながら備えることができるような、「アタラシイ防災のあり方」を考える第一歩になったなら幸いです。
Plannersとは
よりよい未来をつくるために行動する人たちがつながる、登録制コミュニティ
サステナビリティ課題解決のため行動する、専門家やインフルエンサーなどの個人、学生団体、企業、メディアなどがつながり、相互に補完し合いながら、新しい時代をつくっていく、無料の登録制コミュニティ。
個々の知見や経験をシェアし、つながることで、1人・1社では生み出せなかった価値を生み出し、社会へつなげていきます。2030年までに、未来をつくる1000のサステナビリティプロジェクトを生み、育てることを目指します。
・Plannersサイト:https://plnrs.me/
・Planners Instagram(2万フォロワー):https://www.instagram.com/planners.official/
*2024年3月6日現在
執筆:朝来野