About Contact
2020年4月8日

脱プラスチックの実現に向けて。素材や技術力であたらしい紙製品のカタチ

最近は「脱プラ」という言葉をよく耳にしますよね。以前、スターバックスが紙ストローを導入したのも記憶に新しいはず。その背景には、EUが2018年10月に「使い捨てプラスチックを使わない」とする指令案を発表したことがあります。日本よりも環境に対する意識が強い欧州では、脱プラ化への動きが具体的かつスピーディーに進んでいます。


一方、日本は1人あたりの使い捨てプラスチックの使用量がアメリカについて2位であること、脱プラ化の動きにやや遅れを取っていることから少し冷ややかな視線を向けられている面もあります。ただ、そんな状況下であっても、日本企業の中には脱プラ化に向け取り組んでいる会社があるのです。 今回ご紹介するのは、脱プラのために何かを我慢するのではなく、心地よく使えるように工夫されたもの。1つはすでにブランドとして有名なWARASA。そしてもう1つは大手印刷会社の新しい取り組みという異なる2つをご紹介します。


すぐれたデザイン性と環境への配慮を両立—WASARA

WASARA


1つ目は、以前から話題にもなっている「WASARA」です。普通の紙皿と大きく違うのはその優れたデザイン性と耐久性です。日本人は、お箸を使って食器を手で持ち上げ、口をつけて食べる習慣がありますよね。「WASARA」では、私たちが当たり前のように感じているその習慣を、「その食材を手のひらで包み、ありがたく食べものをいただく精神性の表れ」として受け取り、その感覚や価値観に合うように作っているそうです。手にもったときや唇に触れたときの感触を大事にしているという「WASARA」。耐水性、耐油性も兼ね備えており、さまざまな使い方ができるのも特徴です。


また「WASARA」は、枯渇が心配されている木材ではなく、竹とさとうきびの繊維(バガス)を原料としています。竹は誰もが知る通り、非常に成長が早く、その生命力の強さから枯渇の心配がない植物の一つ。バガスは、さとうきびから砂糖の原液を搾り取ったあとに残る繊維で、有効な再利用ができないまま廃棄物として焼却処分されています。そんな竹とバガスを原料として利用し、自然環境へ配慮した商品に仕上がったWASARAは埋めると、90日というスピードで微生物に分解され、土に還るそうです。


公式オンラインショップもあるので、ぜひチェックしてみてください。「WASARA」をはじめて使う人のための「お試しセット」や、みんなで使うための「パーティーセット」の用意もありますよ。


紙でも高い耐久性と完全密封を実現—凸版印刷

CNFエコフラットカップ™


2つ目は、大手印刷会社凸版印刷の取り組みです。これまでの飲料向け紙カップは、やはり耐久性や密封できないなどの点でプラスチックにかなり劣る面があり、なかなかプラスチックカップに取って代われるものはありませんでした。その現状が続く限り、脱プラはなかなか実現できません。


凸版印刷は、「セルロースナノファイバー」というバイオマス素材で紙容器をコーティングすることで、高い耐久性を実現しました。「セルロースナノファイバー」は、「紙の原料となる木の繊維をナノオーダーにまで微細化したバイオマス素材」*なのだそう。自動車や家電などさまざまな分野で今後の展開が期待されている新素材の一つです。


*引用元:凸版印刷株式会社ニュースリリース「凸版印刷、国内初CNF使用の飲料向けカップでプラ使用量半減」
https://www.toppan.co.jp/news/2020/03/newsrelease200327.html


この「セルロースナノファイバー」で紙容器をコーティングすることで耐久性を強め、そして凸版印刷の高度な技術を用いて特別な加工を施すことでバリア性を付け加え、紙素材でも長期保存可能な紙カップを作り上げたのです。これにより、プラスチックの使用量を約50%カットできたとのこと。


脱プラに向けて、私たちができることとは




まだ完全に脱プラというわけにはいかないかもしれませんが、このような工夫でできるだけプラスチックの使用量を減らそうとする動きは、ほかの企業でも見られますよね。冒頭にご紹介した紙ストローの導入も、その一つです。たしかに、プラスチックのストローのほうが耐久性もありますし、紙ストローもはじめは違和感を覚えるかもしれません。ただ少しでも地球環境のことを考えるというのも、私たちにできる第一歩なのではないでしょうか。また今回ご紹介した2企業のように、さまざまな技術開発により、使い勝手も向上したものがこれから次々と出てくると思われます。


まずは、少しでも地球環境のことを考えるというのも、私たちにできる第一歩なのではないでしょうか。




・・・
Plannersでも、脱プラのためにできることとして「good wrap!」という、何度も使えるラップを開発しました。世界的にはすでにスタンダードになりつつある脱プラの流れで、普段の生活の中でも使われている「フードラップ」。日本ではまだなじみがないかもしれませんが、保存や持ち運びにも使えますし、お皿代わりに使うこともできます。(以前、LABOでも「サステナブルな未来に向けて考えるキッカケに。繰り返し使えるラップ「good wrap!」」としてご紹介したことがありますのでぜひこちらもチェックしてみてくださいね)


※画像提供  1枚目、2枚目 株式会社WASARA  3枚目 凸版印刷株式会社 


ディレクター、クリエイター、コミュニケーターの顔を持つ、 「サステナブルラグジュアリー」な価値をつくるクリエイティブコミュニティ。 あらゆる組織、チームの人たちと、柔軟にプロジェクトを組み、価値をつくっていきます。 詳しくはこちら