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2020年5月15日

子どもに自信を持って仕事を語るために。「装い」の課題から生まれた新サービス。「SOÉJU」市原明日香さん

子どもの病気で退職後、7年間のブランクを経て、オンラインでのコーディネートの提案などのサービス「SOÉJU personal ソージュパーソナル」を立ち上げた市原明日香さん。今は代官山にサロンを構え、オリジナルブランドのお洋服も展開しています。もとはアクセンチュアで経営コンサルティングをしたのち、ルイ・ヴィトン ジャパンに転職しましたが、カスタマーリレーションシップマネジメントという、コーディネート提案や、洋服づくりとは異なる仕事をしていました。その後ブランクを経て、「世のなかをよくすることをやりたい」と、自分自身が課題と感じていた「装い」を軸にサービスを立ち上げた、そのはじめかたや、つづけかたなどを伺いました。





きっかけ:子どもにも自分にも自信をもって説明できる仕事をしたい

市原さんの息子さんたち。今は長男は高校1年生に。


―「SOÉJU personal」を立ち上げたきっかけを教えてください


市原:今高校1年生になった長男が幼い頃、白血病で入退院を繰り返していました。その頃に、このまま仕事を続けていけない、どうやって自分の人生をデザインしていけばいいのだろう? と考えました。


そしていつ自分自身も家族も何がおきるかわからない中で、仕事をするならば、自分自身に対しても、息子に対しても「世のなかをよくしている」ときちんと説明できることをやりたいと思うようになりました。


そこで思い出したのが、自分が服装で困ったという経験です。


―服装で困ったというのは、どういうことがあったのですか?


市原:コンサルで働いていた際には、お客様から信頼を得るためにも、落ち着いた色のスーツを着用していましたが、そのあとに入社したルイ・ヴィトン ジャパン時代に、服装についてダメ出しをされました。まさか服装に注意を受けるとは思わなくて・・・。そしてその時に、ビジネススキルは学べる環境があるのに、装いについて学べるところがないなと思いました。





はじめかた:自分は困っている側、消費者の代表

SOÉJU 最初の3着のうちの1つ、着回しの効くワンピース


―装いについて学ぶということでサービスを立ち上げられたのですか?


市原:立ち上げたのは、5年前なのですが、そのころにはスマホのアプリがいろいろ立ち上がった時期で、当初はクローゼットを管理するアプリからスタートしようかと考えていました。ただ、自分の装いを学べる環境がないという原体験や、周りにアプリ内容などを話していく中で、ただ手持ちアイテムを管理するだけではなく、そこに合った提案を入れてもらうのがいいのでは? ということになり、提案するサービスとして立ち上げようと切り替え、最初はオンラインでのコーディネート提案から始めていきました。


そして、2年前に投資家さんより「自分たちが本当に欲しいものをつくってもいいのではないか?」という提案をいただき、ちょうどスタイリストからも提案できる洋服がない という課題があがっていたので、オリジナルブランドとサロンを立ち上げました。


―コーディネート提案からオリジナルブランドの立ち上げなど新しいことばかりかと思いますが、どのように進められたのですか


市原:私自身、ルイ・ヴィトン ジャパンではカスタマーリレーションシップマネジメントに携わっており、実際の服づくりの現場にはいなかったので、知見のある人を探してというところから始めました。もともとのコーディネート提案も、ルイ・ヴィトン時代の伝手を頼るなどして 、スタイリストを探して始めました。


ただ、今までのコーディネート提案で、こんな服を提案したいけど、お客様の予算にあう価格帯のものがない、こういう機能性の服が欲しいなど、お客様やスタイリストの声はたまっていたので、その枠の中で考えて、最初は3点のお洋服から始めました。


私自身は、困っている消費者代表として、どういうサービス、どういう洋服・価格がいいかなどの発想側の役割を担っています。





つづけかた:お客様の馴染みのある入り口づくりがサービス飛躍のきっかけに

SOÉJU 代官山のサロン


―オリジナルブランドを立ち上げてどうですか?


市原:実際に立ち上げて思ったのは、お客様からすると馴染みのない「コーディネート提案」よりも普段馴染みのある「お洋服を買う」という行為の方がきっかけとして入りやすいということです。先に「SOÉJU」の洋服のファンになっていただいて、それをうまく活用したいと「コーディネート提案」を始める方が各段に増えています。 (昨年「SOÉJU」のお洋服をメインにした提案サービスも始められました)


―続けていく中での課題はありますか?


市原:ただ、お客様には大きく分けて2つのタイプの方がいて、元々百貨店などで購入していた方には、このクオリティでこの価格はお手頃!と喜ばれます(ラグジュアリーブランドも使うような生地を使用したブラウスが1万円前半で購入できます)。ただ日ごろプチプライスのものを好まれている方には、「ブラウスに1万円以上は・・・」と、やはり思い切った価格になります。ただそういう方たちも、装いで失敗したくない大事な場面はありますので、その時に、「シンプルなものほど上質なものを」と実際のコーディネートを提案しながら、材の良さやシルエットなどの提案を何度も続けていくことで少しずつわかって頂けるように努力しています。





おわりに

働き方を変える際に、自分が消費者として「こういうものがあればいいのに」という想いから、サービスをはじめた市原さん。自分の想いの核を元に、周りのアドバイスや、知見のある人のチカラをいかして、ブランドを広げていっています。


今回、「SOÉJU」を取り上げたのは、とてもサステナブルラグジュアリーなブランドだから。洋服自体へのこだわり、梱包、また女性の働き方など、市原さんの課題感から取り組まれてきた、「SOÉJU」のサステナブルなポイントは別の記事でご紹介しますので、お楽しみに。


My First Action
*自分が感じた課題感を原点に
*周りの意見を取り入れ、柔軟に方向を決める






市原 明日香
モデラート株式会社代表取締役


1976年福島県生まれ。東京大学教養学部卒。2児の母。
アクセンチュア株式会社で3年間経営コンサルティングに従事、ルイ・ヴィトンジャパン株式会社にて4年間CRM(カスタマーリレーションシップマーケティング)に従事。息子の看病、フリーランスの期間を経て、2014年12月にモデラート株式会社を設立。





ディレクター、クリエイター、コミュニケーターの顔を持つ、 「サステナブルラグジュアリー」な価値をつくるクリエイティブコミュニティ。 あらゆる組織、チームの人たちと、柔軟にプロジェクトを組み、価値をつくっていきます。

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