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2020年12月9日

農園を通じた人との「ご縁」を大切にする湯本さんの教えのモットーと創造力の源

  何かを否定してまで自分を正当化しない  

山梨県八ヶ岳で「自給農園めぐみの」を営んでいる湯本高士さん(@megumino0831 )。農園に訪れる多くの人に、農業に関する幅広い知識を教えていらっしゃいます。

その教え方や核となるものは何なのか、多くの人々と出会い、ご縁を大切にする湯本さんにモットーや想像力の源をお伺いしました。

こちらの記事では湯本さんが農業を始めたきっかけなどをお伺いしています。
▶︎農園をはじめたキッカケは、食に対する思いから。「自給農園めぐみの」湯本高士さんのこだわり。

ご縁を大切にする



ー最初に山梨に移住するきっかけは何ですか?

湯本:2009年に山梨の週末農業スクールに通ってたときのご縁を辿って2010年に移住しました。ワタミファームで有機農業をやっていたこともあり、農業に関する基礎的な知識はあったんです。「めぐみの」を開くまでの準備期間は、その甲斐もあり週末農業スクールで講師の仕事をさせてもらっていました。

わかりやすく人に伝えるのが好きだったこともあり、農業を教えていく講師を勤められたんだと思います。その後、八ヶ岳の地に出会い、めぐみのを開園しました。誰も使ってない耕作放棄地を耕作することからがスタートでしたが。

やっぱり、2009年に参加した山梨の週末農業スクールで農家さんとのご縁ができて、移住しやすくなったとは思います。

ー移住する時に大変だと思うことはありましたか?

湯本:知っている人がいないと馴染めるのかわからないですし、現地の情報も得にくいところが大変なんじゃないですかね。だから僕自身もっと移住相談を受けたい。

例えば、家庭菜園の講座に来てくれれば、家族ぐるみの付き合いになって子ども達同士も遊んだり、すでに知っている人がいる状態になるので、現地の情報や不動産の空き情報も空き状態をお伝えできます。そういう繋がりを作るという意味でも農園がそんな場所であればいいなと思っています。

ー素敵です。確かにWeb上だと行きたいと思っても踏み出せないですよね。

湯本:みなさん求めているのは”繋がり”なんじゃないかなと思います。あとは縁を頼りにしたけどダメだった過去もあります。その時はゼロからスタートです。もう農地探しから始めたこともあって、いい勉強になりました。

ー菜園講座の参加者の方でも移住される方はいますか?

湯本:実際に農業体験を経て山梨に移住された方もいますし、移住された後に、農業体験にこられる方もいます。基本的にファミリーが多いですね。子供を畑でのびのび遊ばせたい30代40代、あるいはこれから余生を田舎でゆっくり過ごしたいという人が多いです。僕自身、そういった方々に楽しく学んでもらうのが農園のテーマでもあります。

教え方のモットー

ーいろんな世代の方が農園で講座を受けられるということで、教え方や工夫している点はありますか?

湯本:正解・不正解を伝えないということです。

例えば有機農業がダメだから自然栽培とか、慣行農業がダメだとか、何かを否定して自分を正当化することはあまりおすすめしていません。

あとは、何事も自分で確認するということ。

食や健康の情報は今やいろんな情報があふれていて、何が正しいのかわからない状態。なので、「信じない・疑わない・確かめる」をお伝えしています。

まず何事も自分で確かめるようにお伝えしています。「僕がお伝えすることも信じないでください。僕の成功体験なので、みなさん自身で確かめてください」とお話しています。



ー信じない・疑わない・確かめる…確かにそうですね。この時代、自分で情報を選ぶスキルが必要ですもんね。勉強になります。

農園のコンセプト作り



ー農園を作る上で、コンセプトのようなものはありますか?

湯本:そうですね、コンセプトはやっぱり「食への安心感と環境問題への貢献」です。

先進国の暮らしを自給自足化することが、最大の環境保全と真の国際協力だと思っていて。衣食住、医療、セルフメディケーション、暮らし、遊びの場所を自分たちで作り出せる自然循環型の農園を目指しています。

ー自然循環型の農園、素敵です!その考えが思いついた経緯を教えてください。

湯本:まず、暮らしの身近なところを手作りしていこう!となった時に土・農業があったんです。土があれば、最悪洋服もできますし、医療(医者や薬)になるべく頼らない自然療法で、自分の健康を整えていけると思いました。

そのためには医食同源が大切で、特に食べることは薬になるのでとても大事です。あとは、畑で農作業すると心が整います。そういった意味でも、畑は癒しの場所になり、はたまた子供が畑で走り回れば遊びの場所になり、学びの場所にもなる。そういう場所を作って行きたいと思っています。

ーなるほど…これからまた農園作りでこうしたい!というアイデアはありますか?

湯本:場所作り、という意味でも、畑と連動した癒しの場所や学びの場所を作りたい。あとは野菜やお米が美味しいと言ってもらいたいですね。以前は、フレッシュさという点で新鮮な野菜を宅配するサービスもやっていたんですが、労力がかかるんですよね。なので、今はいったんおやすみしています。その代わりに今は乾物系の商品を宅配したり販売したりとしています。

あとは、宿泊許可をとって合宿を作るなどしていきたいと思っています。皆さんにのんびり過ごしてほしいんです。農作業体験だけでなく、温泉に入ってもらうとか、食料自給率100%の食卓作りを体験してもらう、みたいな感じです。

ー宿泊施設!最初からそのアイデアはあったんですか?

湯本:もともと、アグリツーリズムを目指して、ワタミファームを退社した後に”総合旅行業務取扱主任責任者”の資格を取得しました。そのあと、某大手旅行会社の法人営業に再就職したんです。

もちろん、アグリツーリズムやグリーンツーリズムをやりたかったけど、営業職はノルマがあるので、全く関係のない職場旅行や海外視察の営業をしていましたね。

ーそんな資格があるんですね…!

湯本:旅行会社を作るときは必ずその人が一人いないといけないという、資格なんですよ。それを3ヶ月で取得しました。その会社では、テレアポから見積もりのヒアリング、企画、営業、ツアーコンダクターもするし、精算、請求書出す、と言った商売の一連の流れを学びました。きっとあとあと役に立つことを思いながら続けていましたね。実はその時は、農業系で何かすることは諦めていました。

当時は新宿でサラリーマンだった頃、結婚したんです。その時、子供ができたら、どうやって育てていくべきか考えました。奥さんとは同じ大学で出会っていたので、価値観は合っていて、”自分たちで自分たちの暮らしを作る生き方がしたい。もっと自然環境豊かなところで子育てをしたい”となったんです。

ーやっていることが、最終的なゴールに全てつながっていたんですね。

湯本:ご縁を辿ってきた結果です。これからも、畑に来てもらって「これなんだ?」「えっ!」と新しい発見をしてもらえるような、学びのある機会を提供していきたいと思っています。

まとめ



東京から山梨へ移住し、八ヶ岳で自給自足農園「めぐみの」を経営されている湯本さん。さまざまなアイデアが思いついては、実際に事業として人気となっているその背景には、「ご縁」を大切にするお人柄にありました。

そんな湯本さんですが、教えるときのモットーは

「信じない・疑わない・確かめる」

であり、何かを否定してまで自分を正当化しないことを軸としている姿がすごく魅力的で、自分の目を信じることの大切さを今回のお話で学ばさせていただきました。

また、農園の場所作りに関しても、生産者だけが野菜を作る工程を知るのはモッタイナイということで、生産者と消費者が一体となる「自然循環型」の農園作りを目指していらっしゃいます。その世界を見るために、湯本さんの創造力によって生まれたアイデアをたくさん教えていただきました。

また、こちらの記事では農業に着目されたきっかけとなる原体験と、農園の立ち上げについてお話お聞きしています。

▶︎農園をはじめたキッカケは、食に対する思いから。「自給農園めぐみの」湯本高士さんのこだわり。

湯本さんの豊富なアイデアやクリエイティビティの秘密は、「ご縁」を大切にでする力と、ぶれない軸作りのための目標の描き方、そして農園を求める人々に対する熱い思いからではないでしょうか。

おうち時間が増えた昨今の状況、食への不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。湯本さんは今後家庭菜園講座も開かれるそうなので、ぜひ、HPをチェックしてみてください。

▶︎「自給農園めぐみの」HPはこちら

湯本高士 Instagram / Facebook

東京都大田区生まれ。中学2年生の時に自然環境を守り、人の役に立つ仕事/農業での国際協力を目指し、東京農業大学へ進学。外食企業/グループ内の農場部門/アグリツーリズムを通じて生産者と消費者をつなぐことに可能性を感じ、旅行会社での営業職経験。週末農業スクールやパーマカルチャー塾での農の講師を務め、独立。 2014年から自給菜園講座を開設し、今までにのべ300名近い受講生の方々に指導。先進国の暮らしを自給自立することが最大の環境保全であり、真の国際協力であると確信し、衣食住エネルギーなど生活全般を消費者と共に自給する自然循環型の農園づくりを目指している。

ライター :河原あい
管理栄養士/環境共生学(修士)環境に配慮した暮らし方のひとつとしてヴィーガン生活を送っている。現在株式会社アイクリエイトにてライター業務、SNS運用業務を行う。文章を通じて人々に心と体を豊かにして欲しいという思いで執筆活動中。