About Contact
2020年12月14日

都会生まれの私たちが農業をはじめたのは自然の中で生きるため。YorozuFarm徳万夫妻の農業の歩み

  自然の中で生きることは大切なこと  

山口県で農業の傍らサラダショップを経営されている「YorozuFarm」の徳万ご夫妻(@yorozufarm )。農業×食×ARTをテーマとした、可愛くてポップな見た目のサラダの美味しさにに、遠方からもお客さんが訪れるほど多くの方に愛されるお店になっています。

そんなご夫妻は実は横浜生まれ・横浜育ち。農業を始める前は関東でお仕事をされていたそうです。 なぜ、山口県で農業を始めようと思ったのか、きっかけやヒストリー、そして夫婦での経営ならではのお話をお伺いしています。

横浜から山口県へ移住する理由



ー山口県で農業を始める前はどんな生活を送っていたんですか?

徳万:山口県に住む前は、夫と私は横浜生まれ・横浜育ちで、サラリーマンとOLをしていました。その時は、二人とも海外にも行ってましたし、都会での遊びの経験を一通り経験してきたという感じです。でもどこか本能的な違和感を感じていて、人間らしい生き方を模索していました。そうやって考えていくうちに、自然の中で生きることが人間の本来の姿だと気づいたんです。

山口県は夫の両親の地元で、遊びにいくたびに空気や水の綺麗さや山の存在感だったり、草木の香りが濃く感じていました。夫の両親も横浜に住んでいたんですが、先に山口に戻っていて、野菜を育てていてました。その野菜の美味しさに感動したんです。その時の感覚が忘れられなくて、これだ!という確信をしましたね。そして結婚をきっかけに二人で山口に引っ越すことにした。

ーそうだったんですね、でも全然違う環境は勇気のいることですよね。

徳万:はい。ただ、夫の両親の家には田んぼや畑・山もあるし、長男である夫が継ぐのだろうなとは思っていました。なので、結婚した時に今すぐいくべきだなと思って、若さの勢いでゼロからスタートしました。

農業をゼロから始める大変さ



ー農業やお店を始める中で大変だったことは何ですか?

徳万:基盤の農業を始めるところが一番大変で、特に、土づくりが一番時間がかかって苦労しました。農薬や化学肥料を使わないから、草と一緒に畑を耕すんですけど、そうすると土の中の微生物が元気になってくれるんです。今も土づくりをしていますが、自然の中にいる微生物に委ねます。それは時間がかかることですが、毎年良い土になっていってることは実感しています。

ー1番最初の土づくりにはどれくらい時間がかかりましたか?

徳万:一年くらいかかりました。田んぼの土って粘土質で、空気も入っていなければ砂利も多くて、何度も耕すを繰り返していました。畑の土はふわふわしているけど、田んぼの土はカチカチ。そこが一番苦労しました。あとは、農作物を虫に食べられるし、天気にも左右されるしと。雨が降らなかったから作物ができなかったという、自然に左右される部分が大変な部分ですね。

ーお天気、農業やられている方はみなさん悩んでいますよね。

徳万:今も気候変動が激しい時代ですしね。毎年気候が違うんです。データとってもその通りになっていないと思います。やっぱり、地球規模でサイクルが変わってきていて、それは普通に生活していても感じるので、農業をやっているとより肌で感じることが多いです。農家の知り合いと話すんですが、雨が少ないとカエルも少ないなど、生き物にも影響しているんだなと思いますね。

ーそういった農業のノウハウは旦那様のご両親から学ばれたんですか?

徳万:いえ、夫の両親はお米農家で、夫の代で19代目なのです。なので、水田でお米を育てていました。

ーそうなんですね!ご両親はお米を育てて、お二人は野菜づくりということで、ではその農業を始める時にはどうやって学んで始めましたか?

徳万:ここでもともと受け継がれている土地で農業する前に二年間農業法人に就職しました。そこは畜産の法人で、放牧牛を扱っていたんですが、先に独立でしたいけど農業を学びたいといったら、理解のある方だったので野菜部門を立ち上げてくれました。法人自体は野菜とは関係なかったんですが、法人があった場所が山口市で8割野菜を作っている場所で、ベテランばかりいました。そこで、農業を実践しながら、周りの多くの人に助けられて学びました。

ー山口に移住された最初は、サラリーマン生活。その後にいろんな方に学んだということですね!その準備期間はどのくらいですか?

徳万:そうですね、10年くらいは準備の時期でした。この土地に慣れたり、農業するためにどうしたらいいか、常に考えていました。

夫婦で働くということ



ーご夫婦で仕事しているということですが、何かお仕事や生活の中での工夫はありますか?

徳万:やっぱり仕事と生活が一緒なので、夫とも四六時中ずっと同じ環境じゃないですか。なので、一緒に農業や加工もするし、二人で一緒にすることと分けることをうまく回せるように仕事の役割を分担しています。夫婦だから、お互い向いていることがわかるので、任せるところは任せて、相手に頼れるところは頼ってといった具合にチームワークで生活しています。

ー夫婦ならではのチームワークですね。お店の料理はお二人でされているんですか?

徳万:お店の野菜を収穫・洗ったりは夫にしてもらっていますが、料理は私がしています。子育てもあって大変ですが、充実感がすごくありますね。珍しく家の前に畑があるという、恵まれた環境でできているんです。仕事も生活も全部ここでしているという感じで。その分、切り替える(仕事の時間、子供、家事の時間)のがむずかしかったです。葛藤だったり悩む時期もあって、夫婦で喧嘩もしましたね。

ーそうだったんですね。その切り替えのスイッチに気づいた瞬間は?

徳万:気づいた瞬間は、先が見えるようになってきた時ですね。最初は手探りの状態で、農業も初めて、お店も初めて、農家でサラダ屋も初めてで相談相手もいなくて、何もかも手探りだった。話し合えるのは夫婦間のみで、だんだんやっていくうちにその中で先が見えてきた時に自分の中で割り切れたんです。夫婦それぞれが集中してやるのが大切だと思いました。なので、収穫や加工の時間のルールを決めていきました。

自分の中でスケジュールを組むのが大切で、でも飛び込みでいろんなものが入ってくるので、うまく時間通りにできないことももちろんあります。そこはもう、うまくやりくりできるように、変化についていけるようにとフットワークかるく頭を柔らかくしてやっています。

ーお二人のスケジュールってどんな感じなんですか?

徳万:日によって全然違うんです。週末がお店なので、木曜日が収穫とお店の準備で、残りで集中して農業しています。とはいえ、思いついたらすぐやることを心がけていますね。これをあとでにしとこうではなくです。やっぱり、植物は待ってくれないので、ゆっくりしたいと思っても、これはすぐやらないと!という風に考えを変えました。生き物相手だし、天気でスケジュールが変わっちゃうんです。

ー生き物相手、確かに大変ですね…!今って何種類ぐらいお野菜育ててますか?

徳万:野菜は全部で40種類ぐらいあるけど、葉物だけで15種類は作っています。珍しい野菜はお客さんが「これ何?」と興味を持って喜んでくれるので育てていますね。トレビス、ルッコラ、春菊などなどです。

こだわりがあって、その日の朝に収穫してお店に出すんです。採れたてだから鮮度も違うし、野菜の味が濃いとお客さんにも言ってもらいます。鮮度が良い状態で食べることって体が喜びます。

都会にいると鮮度の良い野菜を食べることは難しいじゃないですか。よっぽど畑を借りてやるなら良いですが、仕事をバリバリする世代は時間的にも無理がありますし。そういった方にも週末のサラダショップで栄養をとって欲しいですね。

まとめ


横浜生まれ・横浜育ちの徳万夫妻が農業を始めるきっかけは、自然の中で生きることの大切さに気づくことができたからということでした。また、農業をゼロから始めるとなると幾多の困難があるはず。そんな時にご夫婦でお互いを支えあいながら新鮮な野菜を多くの人に届けている姿は、とても輝いて見えます。

YorozuFarmさんではサラダショップの他にも商品販売なども行っており、こちらの記事でその商品開発におけるストーリーをお伺いしています。
▶︎好きだから次々と新しいことにチャレンジできる。YorozuFarm徳万夫妻のアイデアの源泉

お店のHPはこちらからどうぞ。
▶︎Yoroszu Farm

徳万絢香 Instagram / Facebook
YorozuFarm   Store Manager

結婚を期に、夫のルーツがある山口県へ移住。先祖代々受け継がれた土地で夫と共に持続可能な農業をはじめることを決意。「最初から最後まで」を大切に野菜作りから加工までをし、サラダショップ加工品、2020年12月から"モクテル"専門店『THE FARMER'S BAR』をオープンする。食べること、作ること、クリエイティブなことが好きで、メニュー開発、ロゴマーク、パッケージイラスト、Homepage、撮影、発信などを自ら手がけている。

ライター :河原あい
管理栄養士/環境共生学(修士)環境に配慮した暮らし方のひとつとしてヴィーガン生活を送っている。現在株式会社アイクリエイトにてライター業務、SNS運用業務を行う。文章を通じて人々に心と体を豊かにして欲しいという思いで執筆活動中。