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2021年1月5日

「こだわりを詰め込む」で価値は生まれる。出雲SPICE LAB. 山田さんの企画力

ワクワクを多くの人に届けたい

島根県雲南市にて、クラフトコーラを販売しながらスパイスを通して地域の農業課題に取り組まれている出雲SPICE LAB.の山田さん(@izumo_spicelab )。

前回は島根移住や出雲SPICE LAB.の誕生、そして農業への姿勢についてお話お聞きしました。その中でどのステップにおいても共通することが、「お客さんにワクワクしてもらいたい」という気持ち、そしてそのためにこだわりを徹底的に追求することでアクションを起こす山田さん。その裏側にある背景やヒストリーをお伺いしました。

人と違うことを意識する



ー可能性があればチャレンジする姿がすごく魅力的なのですが、もともとそういった性格でしたか?

山田:いや、どちらかといえばそんなに行動力はなくて、唯一サッカーをずっとやってきてはいたものの、家に帰ってきたら寝るみたいな、そんな子どもでした。ずっと大阪にいて、一人暮らしをしたくて、東京のとある大学に入学しました。東京にいったら何かできるだろうっていう、そんな気持ちでした。その入学式に出た時、1万人くらい同級生がいるようなマンモス校だったので、正直驚いたんです。人生安泰と思ってたのに、これだけ
アイデンティティを持っている人がたくさんいることを知りました。

ずっと何かしないと、と焦っていたんです。
何もない中でこのまま生きてたらやばいかも、
人とちょっと違うことやらないと、自分の価値がなくなっちゃうかも、と。そんな気持ちが大学一年生の頃からあって、今もその「
人と違うことをやる」の延長線上でいろいろやっていますね。



ーそうだったんですね。その中で、農業と、そしてクラフトコーラにたどり着いたんですか?

山田:実は、当初スパイスをブレンドして独自の飲み物を作りたいと思っていたんです。名付けるなら「島根発のドリンク」という感じで、コーラが世界で初めて生まれた時のように新しい飲み物を作りたくて。自分でいろいろ調合して混ぜて作ったんですが、イベントでは売れなかったんです。興味は持ってくれているんだけど、皆さん「どういう味なの?」止まりでした。

そこで、東京の有名なクラフトコーラのお店の存在も知っていたし、コーラと謳った方がみんな味のイメージが湧くのかも?と、僕らの商品名にあえて「コーラ」と名付けました。

そうしたらコーラを名乗った瞬間に売れ始めたんです。

あんまり手作りコーラを作っているところがなかったこともあるかもしれませんが、出雲SPICE LAB.というところが作った独自のドリンクでは信頼もなくて売れないけど、コーラという名前を借りて、購入してもらえるようになってきたんです。

実は、僕自身、コーラ好きでもコーラ屋さんになりたいわけでもないんですが、作るのが好きで、美味しいコーラを研究して作りました。



ーコーラという名前を借りる…イベントを通して得られた発見を生かして誕生したんですね!Webサイトでは「こどもコーラ」も拝見しました。

山田:そうですね、あとはクラフトコーラとしてイベントで再び売り始めたんですが、そこで気づいたことがあって、島根は子育て世代が多いんです。

子どもがコーラ飲みたいとなっても、甘味料や香料などの問題で飲ませたくない、でも出雲SPICE LAB.のクラフトコーラは何が入っているかわかるから安心できる、と言っていただけるようになりました。

ただ、当初の商品は粉末スパイスをたくさん入れていたので、スパイシーで子どもが飲みにくいとも言われていたので、子ども向けに飲みやすいハチミツベースのコーラを作ってみよう、と思って作りました。

ーそんな背景があったんですね。クラフトエナジーもですか?

山田:僕が東京で働いていた頃にエナジードリンクをみんなで飲んでいたという経験を生かして、オフィスの人向けに作りました。ただ、いわゆる一般的なエナジードリンクとは違って、元気はでるけど、自然由来でできている物があるのがいいなと思ったんです。

あともうひとつチャイも出していて、それは海外を旅している時に飲んだインドのチャイを目指して作りました。

こだわりは余すことなく取り入れていく





ー子どもコーラやエナジー含めて、パッケージがすごく素敵です!そういったところに何か思いがありますか?

山田:そうですね、島根で何かやろうってときに、ターゲットを島根の中で閉じ込めてはいけない、島根でも都会に出ていけるんだぞっと思いつつ、とはいえ島根の人と何かやりたかったんです。なので、島根県松江市のデザイナーさんにお願いをして、コンセプトは自分で考えて創りました。その中で、一つひとつのデザインやコンセプトに自分なりの遊び心を加えたんです。手に取る人にとってはいろんな感想があっていいですが、自分にとってはストーリーや意味合いを持たせたい、それをデザイナーさんにお願いして作ってもらいました。

ーパッケージのお写真見ると、確かにどれも「手を抜いてない」感が伝わってきます。

山田:ラベル一つひとつにこだわりを持っています。

例えばクラフトエナジーも、雷のマークを使っていますが、あれにも意味があって。

実は、雷が落ちた場所は土地が肥沃になって稲がよく育つんです。なので、稲の妻と書いて稲妻(イナヅマ)という名前を宮沢賢治がつけたというエピソードがあります。そういうエピソードが好きだったというのと、しめ縄も農業者の祈りが込められているものだし、加えて島根には出雲大社もある。そういうコンセプトをデザイナーに話してパッケージは作りました。

“ワクワク”で地域を盛り上げたい



ーストーリーを商品に盛り込む、だから手に取るだけでワクワクする商品がたくさんあるんですね。

山田:そういうことを考えている時が楽しいんです。新しい知識や知らなかったことに触れる楽しさをいろんな人に提供できる会社にしたいと思ってメインのコンセプトにしています。みんなでワクワクしていたいんです。パッケージをみて、お客さんと話て、「へえ」と言われたり、作り方を聞いてもらえたり、SPICE LABと関わるたびに農業やりたいなとか新しいことを始めたいなとか、ワクワクしてもらえることを大切にしています。

ー素敵ですね。コーヒーやワインとの組み合わせなどユニークなコーラの楽しみ方もご提案されていますが、どうやって思いつくんですか?

山田:中野さんが飲むことが好きなので、彼がどんどん見つけてくれます。カクテルでもコーラを使った物が多いので、中野さんが美味しい組み合わせを見つけてくれたり。あとは、前は東京に住んでいたこともあって、東京に行ってはスパイスを使ったお店を回っています。コーラを飲むシチュエーションまで研究して、そのシチュエーションのアイデアまで提供したいですね。

ー今後の目標や取り組んでみたいと思っていることはありますか?

山田:もっと色んな商品を増やしたいですね。コーラっていう好き嫌いが分かれるし、甘い飲み物だけじゃ、色んな方と関わりを持つことが難しいと感じるんです。例えば、今は自分の農地で育てているスパイスを使ったカレーや、コーヒーとコーラを掛け合わせた物を作っています。あとは、地域の農業との組み合わせを作り出したいですね。常にワクワクしている商品をいろんな人に届ける機会が欲しいです。



あとは、今年やっぱり経験的にも慣れているパソコン仕事(販売)に気を取られたので、一番勉強してスキルアップさせたい農業にも力を入れたいですね。

そして面白さとしんどさ含めて農業自体をもっと色んな人に知ってもらえるようなことをやりたいと思ってます。都会にいた時も、コンテンツ的に農業をやりたいって人は多かったんです。今は年に一回だけの農業は需要があると感じていて、スパイスラボに農業面で関わってくれそうな人を増やせるようなアクションを起こしたいと思っています。

まとめ



島根で農業を営みながらスパイスを使ってクラフトコーラを作り続ける出雲SPICE LAB. 山田さん。手に取るだけでワクワクするような商品を生み出す背景には、こだわりの強さと学ぶことを楽しんで欲しいという思いがありました。

また、山田さんは大阪生まれ、大学入学をきっかけに上京されていて、島根とは関わりのない生活を送られていました。それにもかかわらす、島根に移住して出雲SPICE LAB.を立ち上げたきっかけについてもお話をお伺いしています。

▶︎都会暮らしから未知の土地「島根」で出雲SPICE LAB.を立ち上げた山田健太郎さんの可能性の見つけ方

新しい知識を知るときのワクワクをもっと多くの人に知ってもらいたいという山田さんの気持ちは、クラフトコーラのパッケージにも表れていますので、ぜひお店のHPをのぞいてみてください。

▶︎出雲SPICE LAB.

山田健太郎

出雲SPICE LAB.代表。世界一周の旅をはじめとし、全50カ国以上を旅する。その経験の中で培った世界中の食べものやスパイスの知識をベースに、2018年より島根県で農業を基盤にしながら出雲SPICE LAB.を立ち上げ、活動中。また、合同会社宮内舎のディレクターも担当し、地域に根差した活動を行っている。

出雲SPICE LAB. instagram / Facebook

島根で耕作放棄地を再耕作して農薬や化学肥料を使わずスパイスを育てたり、誰でも安心して手に取れるよう、無添加の商品を手づくりで提供しています。
スパイスを通して、耕す人も、創る人も、手に取る人も。関わるみんながちょっとわくわくしちゃう。そんな世界を作り出せないか、と日々小さな挑戦をしています。

ライター :河原あい
管理栄養士/環境共生学(修士)環境に配慮した暮らし方のひとつとしてヴィーガン生活を送っている。現在株式会社アイクリエイトにてライター業務、SNS運用業務を行う。文章を通じて人々に心と体を豊かにして欲しいという思いで執筆活動中。