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2021年1月15日
「ヴィーガン認証昆布」のJUNYA OKAYAMAさんに聞く、ヴィーガン認証取得のきっかけとヴィーガンへの思い
ヴィーガン認証に恥じない昆布づくりをする
北海道は函館市で、ヴィーガン認証昆布を作り、販売している昆布漁師の岡山潤也さんと、奥様の琴絵さん(
@junya_okayama
)。北海道は魚介類、海の幸が有名でありながら「ヴィーガン」と銘打って昆布を販売されています。
ヴィーガンと出会ったきっかけは映画の出演。そこから岡山さん自身でヴィーガンや環境問題を学び、実践されながらヴィーガン昆布を販売されています。
なぜヴィーガン認証昆布を生み出すまでに至ったのか、そのヒストリーをお聞きしています。
ドキュメンタリーがきっかけのヴィーガン
ーヴィーガン認証こんぶを始めたキッカケを教えてください。
岡山:2019年、パタゴニアが製作している映画に出たのですが、その時に映画を撮っていたカメラマンがヴィーガンの方だったんです。その方は環境問題のためにヴィーガンをやっていると言っていて、環境のため?それってどういうこと?と調べました。
調べていくうちにいろんなことを知り、「ヴィーガン」をやってみよう!と思ったんです。
例えば日本酒でヴィーガン認証されているものもあるので、昆布もヴィーガン認証を取ることによって環境配慮の意識を積極的にしていこうと思ったんです。
3月から4月のまだ若い状態で水揚げしたものを使用しています。また、添加物は一切使っていません。クッキング若昆布、早どりダシ昆布…のように様々な商品を作って販売していますが、千切りビストロ昆布の袋タイプにのみヴィーガン認証を取得しています。
ーそうだったんですね!何か他にもヴィーガン食生活を始めようと思われたきっかけはありますか?
岡山:あとは、SNSやドキュメンタリー映画を観て、今置かれている現状や事実を知ったことも大きかったです。とにかく何度も何度も全部観ました。
そうやって勉強して行き着いたのが、ヴィーガン食生活。地球(温暖化)を改善するためにお肉を食べないことが一番いいのかな、と思ったんです。お肉もやめるなら、ついでに牛乳や卵などもやめようと思いました。主人にはもうお肉を食べないことや、学んだことをたくさん伝えましたね。
ー私も実はドキュメンタリーを観て、衝撃を受けてヴィーガンになりました。お料理がとても美味しそうですが、料理も工夫されましたか?
岡山:今まで作っていた料理をアレンジして変えていけばいいのかなと思っています。
お肉はもともと好きだったけど、お肉ありの日となしの日で半々くらいだったから、スッとヴィーガン食に切り替えることができました。何より体調に変化を感じることもできましたね。
ーわかります。私は特にメンタル面でイライラしなくなったと感じています。周りの人の理解やお店についてはどうですか?
岡山:やっぱり理解してもらうのは簡単ではないですね。ヴィーガンというワードをいうと、何それ?言われてしまったり。
都会にいくとそうでもないかもしれないですが、今住んでいる函館市にはヴィーガンの人もそう多くはいないんですよね。もちろん、昆布を購入してくれるお客さんは理解してくれている方も多いです。
ただ、函館でヴィーガン対応しているお店もやっぱり少ないので、まずは、もっと「ヴィーガン」を広めていきたいなと思っています。
ヴィーガン認証昆布の魅力
ー「千切りビストロ昆布」が今までない素敵なアイテムです。
岡山:ビストロ昆布に似たような昆布は、実はもともとあった商品なんです。隣町で作っていたもので、うちでも作ろうと思ったんです。
なんで昆布で商品を作ることになったのかというと、温暖化で魚が取れなくなってしまったことが理由でした。魚がとれない。だから昆布で商売をしよう、となったんです。
そこで、デザイナーさんと話をして、隣町の昆布を使って「千切りビストロ昆布」という商品を作り出しました。そうすると、取引先の人から「(隣町の昆布を使うのではなく)岡山さん自身が昆布を作った方がいい」と言われて。なので、せっかくだし名前通りのキレイな昆布を作ろう!と思いました。何より子供に食べて欲しかったんですよね。
ーホームページのパッケージや、ヴィーガン料理×昆布も美味しそうですね。
岡山:商品自体はもともとあったものを使いながら、アレンジしました。もっと若い人に食べてもらえるようなパッケージに変えよう!と。
ただ、袋タイプの商品にはヴィーガン認証を取ったものの、認証を取っていない筒型ケースには内容量に対して多くプラスチックを使用しているのが懸念点です。関わってくれている人もいるので廃止ができないですが、少しずつ環境に配慮したものに移行できないかと構想を練っています。
全てにおいてヴィーガンじゃないと、せっかくヴィーガン商品なのにモッタイナイじゃないと思いました。でもやっぱり関わってくれている人の中には理解してもらえないことも多くて。ヴィーガンに偏ったら売れないとも言われてしまうんです。そこが今の悩みですね。
ーヴィーガン認証昆布を購入されている方ってどんな方ですか?
岡山:レストランを経営されている方や、個人でフェイスブックで業務用で大量に買ってくださる方が多いです。ただ、ヴィーガン認証だからといって買ってくださる方はまだ少ない印象ですね。
あとは東京・浅草のVEGAN STOREに置いてもらっています。他にも料亭さんやホテルのバイキングでも使ってもらっています。
私たちが売っている昆布は、除草剤を使ってないことも特徴なんです。例えば、昆布を干すとき、あたりまえのように干場に除草剤をまく人が多いんです。なので、「除草剤を使わない」と発信すると、安心安全なものだとわかって買ってもらえることも増えました。
ちなみに香害に悩むお客様も何名かいらっしゃるので自宅の洗濯の際も合成洗剤や柔軟剤を使用しておりません。おかげで香害に悩むお客様にも商品が届いてダンボールを開けた時に嫌な匂いや香りがしない!と喜ばれています。
ー今後ヴィーガン市場がどんどん伸びていくはずなので、ヴィーガン認証昆布も身近なお店で食べたいです!ヴィーガン認証昆布をとるステップってどんな流れなんですか?
岡山:
VegeProject Japan
さんでヴィーガン認証を取りました。色んな商品がヴィーガン認証を取っているんです。やっぱり認証マークがあるだけで印象が変わるし、みなさんの関心も高まると思うんですよね。
ー本当にその通りで、「ヴィーガン認証」はすごく気になってしまいます。思わず手に取ってしまいますね。
できることを少しずつ、着実にする
ー今後取り組みたいことはありますか?
岡山:父が所有していた山の木を5年前に全部伐採してしまったんです。なので、そこを里山再生のような形でどうにかできたらいいなと思っています。
そして、ヴィーガン認証に恥じない昆布づくりをやろうと決めました。品質をぜったい落とさないようにすること。あとは、やっぱり昆布は料理の食材として調理するイメージもないので、雑に扱われてしまうことが多いんです。なので、漁師仲間の後輩に「昆布は食べるもの」と認めて欲しいというところもあります。
ーなるほど、品質も大切だし、ヴィーガンや食材を大切にするという思いは広めたいですね。
岡山:そうなんですが、事業拡大すると品質が低下という葛藤もあって。自分が作る量は増やさずに、質を落とさないようにしたいんです。みんなで広げて、みんなで作り上げることができたらいいなと思っています。まずは、そこをみんなに理解して欲しいですね。
最初は、何か大きなことをやろうと発信していました。でも次第にそれが難しいと感じ始めて。まずは自分の周りを少しづつでも変えていけたらいいなと思います。ヴィーガン昆布や除草剤の話、環境問題など、少しずつ、一歩ずつ考え方を広めていきたいと思っています。
まとめ
北海道・函館市で「ヴィーガン認証昆布」を製造・販売されているJUNYA OKAYAMA さん(
@junya_okayama
)。商品はもちろん全部ヴィーガンで、千切りビストロ昆布にのみVegeProject Japanの認証マークがついています。
もともと岡山さん自身はヴィーガンではありませんでしたが、映画の出演をきっかけにヴィーガンや環境問題へ意識をもち、ヴィーガン認証昆布として打ち出すことになりました。
魚が捕れなくなったのは温暖化の影響。現場で実際に漁師として海に触れる岡山さん自身が考える地球環境への姿勢についてもお話をお聞きしています。
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「ヴィーガン認証昆布」JUNYA OKAYAMAさんが語る、海の変化と環境問題の発信
ヴィーガン認証昆布は見た目もキレイで、食べても美味しいということから人気の商品になっています。ぜひ、HPものぞいてみてください。
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JUNYA OKAYAMA
JUNYA OKAYAMA
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昆布漁師とその妻。昆布のブランド「昆布漁師ジュンヤ・オカヤマ」主宰。
北海道の旧椴法華村で生まれ育ち、先代の父に連れられ小学生の頃から昆布漁を始め18歳から本格的に漁師の道へ。2017年、妻と共に昆布のブランドを立ち上げる。パタゴニアのショートムービー「sign of nature」に出演した経験から環境問題への知識をより深め、自身の昆布にもヴィーガン認証を取得。ライフスタイルもできるだけ環境に配慮しながら、子供にも安心して食べさせられるをモットーに昆布作りを続けている。
ライター :
河原あい
管理栄養士/環境共生学(修士)環境に配慮した暮らし方のひとつとしてヴィーガン生活を送っている。現在株式会社アイクリエイトにてライター業務、SNS運用業務を行う。文章を通じて人々に心と体を豊かにして欲しいという思いで執筆活動中。