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2020年3月10日

暮らしに合わせてコンポストを選ぶ。経験者に聞く、気になる虫や匂いのこと

毎日料理をしていると、どうしても野菜の切れ端や果物の皮を上手に活用できずにそのまま生ごみとして捨ててしまうという人も多いと思います。生ごみとして捨てることは間違ってはいませんが、自然の力を使ってもう少しうまく活用できる方法があります。それがコンポスト。
コンポストとは微生物の力を借りて生ごみを分解してくれるもので、分解するだけでなく肥料に変えてくれるものもあるのです。まさにサステナブル(持続可能)な世界を実現するために、必要な存在ですよね。

今回、5年前に東京から長野県の八ヶ岳西麓にある原村へ移住し後、自然を大切にした暮らしをしながらコンポストを活用しているという林 美代子さんに話を聞いてみました。林さんは移住後、自分で畑をやってみたいということで、畑にまく肥料として生ごみを活用する方法を調べているうちにコンポストと出会ったのだと言います。

林さんは、サステナブル(持続可能)な2つのコンポストをうまく使い分けることによって居心地よく付き合う、まさにサステナブルラグジュアリーな生活を実現していました。そんな林さんに、コンポストがある生活について教えていただきました。


八ヶ岳西麓の原村で「コンポストがある生活」をスタート

コンポスト


―林さんはどんなコンポストを使っているのですか?


林:今は2つのコンポストを使い分けています。「ミミズコンポスト」と「段ボールコンポスト」を使っているんですが、「ミミズコンポスト」は畑にまく肥料を作る目的で使っていますね。


一方、「段ボールコンポスト」はそのままなじんで消えていくので、肥料として使う目的ではなく、生ごみを環境にやさしい形で処理するために利用しています。段ボールコンポストは参加した自然栽培の講座の最中に作ったもので、自然栽培の講座の費用に含まれていたので段ボールコンポストの値段自体はわかりませんが、米ぬか等があれば作れます。


―コンポストというとニオイや虫が発生してしまうイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?


林:ニオイは気になりません。虫も、コンポストに生ごみを入れ過ぎなければ気になりませんね。生ごみを入れすぎてしまうと、分解より先に虫が発生してしまうので、入れすぎないように注意が必要です。ある程度場所を区切って、入れる場所を交互にしていくなどの工夫は必要かと思います。


自分のライフスタイルに合ったコンポストを選ぶために

コンポスト


―コンポストを購入するにあたって、どういうことを検討しましたか?


林:「ミミズコンポスト」は友人の紹介で、インターネット通販で購入しました。世界一売れているミミズコンポストシステム「ミミズコンポストのキャノワーム」です。購入には、原村の助成金を使用しました。

自分で畑をやってみたかったので、コンポストを購入するときに検討したのは、1番に使いやすさ、継続のしやすさ、2番目にはすぐ肥料として使えるかどうか、ということでした。一般のコンポストだと資材を購入しつづけなければいけなかったり、生ごみの分解のスピードによっては肥料として使うためには、ある程度期間置いておかなければならなかったりして、すぐに肥料として使うことが出来ないなと感じました。

一方、「ミミズコンポスト」は分解されたらすぐに肥料として使えるのです。ミミズだと資材の継続購入も不要なので、コスト的にも続けやすいと判断しました。ミミズコンポストでできた肥料は、自宅で育てている植物に与えています。


―コンポストでもタイプごとに肥料になるまでの時間が変わるのですね。ちなみに、コンポストにはどのようなものを入れているのでしょうか?


林:うちはヴィーガンの食生活なので、動物性のものは摂りません。なので、果物や野菜の生ごみです。また、ミミズは柑橘系、ネギ類、にんにく等を与えるのはNGなので、それらは入れないようにしています。


―実際、コンポストを使うことでどのくらいの生ごみを減らせていると思いますか?


林:自分が消費する生ごみの半分くらいは確実に減らすことができていると思います。


―コンポストを使ってよかったなと思うことはありますか?また、逆にコンポストで面倒だなと思うことはありますか?


林:自分の使った野菜が循環していくことを実際に感じられるので、それはとても気持ちがよいです。 逆にめんどくさいなと思うのは、分解を早めるために野菜や果物の生ごみを細かく刻んでいれることですね。それは少しの手間ではあります。


「段ボールコンポスト」の場合は、毎日かき混ぜないといけません。酸性度が高くなってきたら、米ぬかを追加するなどある程度お手入れが必要ですね。


―林さんにとって、コンポストの一番の魅力は何でしょうか?


林:コンポストを使うことで、自分がどういうものを消費しているのか意識を向けることができること、それを使って、また自分で食べ物など土に関係する何かをしてみようと思えること。土に触れるというのは、現代においてはとても必要なことだと思います。


食生活にある程度気を配っている人、自分で食べ物を作ってみたいと思える人がコンポストを使うのに向いているのではないでしょうか。


気軽に楽しめるコンポスト生活

コンポスト


コンポストというと、ニオイや虫のケアが大変だったり、置く場所に困ったりするのかと思いましたが、林さんに紹介していただいたミミズコンポストシステム「ミミズコンポストのキャノワーム」ならコンパクトサイズで、ベランダや屋内で使用できるとのこと。


家族で生き物や資源のことを学べる「生きた教材」としても使えると紹介されていました。生ごみとしてただ捨ててしまうだけでは何にもなりませんが、コンポストを通じて子どもたちと楽しみながら生き物のことや資源のことを学べるというのがいいですよね。


また、林さんに紹介してもらった「段ボールコンポスト」も手軽にはじめられるコンポストの一つですよね。インターネットで調べてみると、いろんな自治体が段ボールコンポストの作り方を説明するWebページを用意していました。たとえば、東京都三鷹市日の出町愛知県名古屋市などが紹介しています。用意すべきものや作り方まで丁寧に記載されているので参考にしてみてはいかがでしょうか。


より気軽にコンポストのある生活を楽しみたいという人には、トートバッグのような見た目の「LFCコンポスト」もオススメです。野菜をつくるための堆肥をつくってくれる優れものですが、水や虫の侵入を防ぐ特別なファスナーがついていたり、悪臭を押さえる素材が使われていたりと、都会暮らしの人にもうれしいポイントがいくつもありました。


「できることからはじめる」ということ




以前、LABOで公開した「私たちが今日からできること【食品ロスへの取り組み】」では、「食品ロス」への取り組みの1つとして、国連WFP協会の「Zero Hunger Challenge」を取り上げました。いまでは「食品ロス」を防ごうとさまざまな取り組みが行われています。私たちも、消費者の立場から「食品ロス」をなくすために取り組めることがたくさんありますが、食品ロスを完全にゼロにするというのは難しいものですよね。そんな私たちの環境への取り組みを手助けしてくれるのがこの「コンポスト」なのではないでしょうか。


これまではイメージだけで「コンポストを使うのはちょっとハードルが高い取り組みなんだろうな」と思っていましたが、今回のお話を聞いてコンポストをより身近に感じることができました。急にコンポストのある生活を始めるのはハードルが高いと思う人も多いかもしれませんが、コンポストの種類も多様化しており、いまはさまざまな見た目のコンポストがあります。自分に合うコンポストを探してみてはいかがでしょうか。


ディレクター、クリエイター、コミュニケーターの顔を持つ、 「サステナブルラグジュアリー」な価値をつくるクリエイティブコミュニティ。 あらゆる組織、チームの人たちと、柔軟にプロジェクトを組み、価値をつくっていきます。

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