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2020年4月9日

ルミコ・ハーモニーさんが海外で学んだ。サステナブルな関係を築くための「疲れ」解消のヒントとは

前回、「結婚8年でケンカなし! 家族や周囲とハーモニーがうまれる3つのコツ 1人5役でサステナブルな活躍ルミコ・ハーモニーさん」でご紹介させていただいた、ルミコ・ハーモニーさん。ルミコさんは、アーティストとしてだけでなく、NPOの活動や北欧ライフスタイル専門家として幅広く活動されています。


また、プライベートではフィンランド人のパートナーと結婚し、ブラジルでの暮らしの経験もあるルミコさんから、海外の生活についてもたくさん話を聞くことができました。多様な価値観を知ることで、じつは私たちが知らない間に「疲れ」をいろいろな場面でためていることに気づきました。
無理なくサステナブルな関係を築きつつ、お互いに居心地のいい、まさにサステナブルラグジュアリーな生活を送るルミコさんに、ご自身の経験を通して「疲れ」解消のヒントを聞いてみました。


はっきり「No」と言うことは自分だけじゃなく相手も尊重する




―海外の人とのかかわりが多いと思いますが、日本人との差はどんなところに感じますか。


ルミコ:身近な事例だと、飲み物の断り方ですね。たとえば人の家にお邪魔したときや他の会社に打合せに伺った際に、「コーヒーいかがですか?」と言われることがありますよね。日本人って、もしいらなくても「あ、じゃあいただきます」って言ってしまうと思います。


フィンランド人は基本的にシャイなので、日本人と同じように「いただきます」って言うのかなと思っていたら、「NO」とはっきり言っていました。「NO」って相手に自分の正直な気持ちをきちんと伝えることによって『全てを尊重しよう』っていうメッセージ性を伝えているのだと思います。


日本人って、コーヒーを出してくれた人の気持ちを尊重しようとして、もし万が一断るとしても相手を傷付けないように断る理由を何とかひねり出すと思います。でも、それ自体が面倒になり、とりあえず「いただきます」って言って受け取るっていう人が多いですよね。それって自分が幸せか幸せじゃないかっていうのは実はあまり考えていないのかなと。たぶんほとんどの日本人って、コーヒーを断られるとなぜかちょっと嫌な思いになると思います。


日本には言霊って言葉があるのと同じように、言葉に魂を込めていて、ただその言葉や提案に対して「NO」って伝えられているだけなのに、自分自身を否定されたような気になってしまうのかなと。そういう風に自分より周囲を優先しなきゃ、と常に抑圧されているのはもう、保育園や幼稚園のときから始まっているのかなと思います。


全員同じく我慢するのが平等? 心の余裕と平等の関係




―たしかに、そういうところはあるかもしれませんね。パートナーが「ブラジルに行こう」と言い出したとのことですが、ブラジルでも日本との差を感じる出来事がたくさんあったのではないでしょうか。


ルミコ:身近な事例だと、飲み物の断り方ですね。たとえば人の家にお邪魔したときや他の会社に打合せに伺った際に、「コーヒーいかがですか?」と言われることがありますよね。日本人って、もしいらなくても「あ、じゃあいただきます」って言ってしまうと思います。


たとえば日本人って満員電車で舌打ちする人が多いですが、それはきっと自分はガマンしているのに、なんでお前はガマンできないのかっていうところの苛立ちから来ていると思うんですよね。平等の定義が少し歪んでいるように感じていて、車いすの人であってもほかの人と同じように並んで待つのが平等と。でもそれって本当の平等じゃないと思います。


ブラジルでは基本、エレベーターは階段やエスカレーターの使用が難しいスペシャルニーズの人しか使いません。ほかの人は普通に階段を使います。正直、実際現地に行くまでは「ブラジルって怖いのでは?危険なところなのかな?』って思っていましたが、スーパーにソファがあって、赤ちゃんを抱いていると「そこで座って待っていてね」と言って、お店の方が会計してくれるんです。


また、大人気展覧会に行ったときが印象的でした。ブラジル人はあまり列に並ぶことがないですが、とても大人気の展覧会で2時間くらい並んでいたときがあったんです。そこに並ぼうと思ったら「赤ちゃんを抱っこしているから先においで」ってすぐに通してくれて、周りの人もべつにそれに対して何も言わないどころか道をあけてくれる。心の余裕を感じる出来事にびっくりしました。


「こうあるべき」に縛られて疲れている




―最近よく言われることですが、私たちはちょっと疲れているかもしれませんね。だから心に余裕がないのかもしれません。


ルミコ:そうですね。どうしても「こうあるべき」っていう理想のところから計画を立てる『べき論』で生きているから疲れるのかなと思いますね。「こうあるべきだから、〇〇はできない」みたいなちょっと頭でっかちな考え方がクセになっているのかもしれません。


たとえば『理想の母親像』に応えようと思って生きると疲れてしまいます。『母親はこうあるべき』みたいなものがあり、「子どもより仕事を優先しちゃいけない」とか、「朝昼晩3食バランスよく食べなきゃいけない」とか、「一汁三菜じゃなきゃダメ」とかが刷り込まれているからこそ、それができないとなんだか家族に申し訳なくなってしまうのだと思います。
だけど、そんな『べき論』で頑張っていると、心が折れて続けられないですよね。


―たしかにそうですね、頑張りすぎると心が折れてしまって続けられないことも多いです。家族がサステナブル(持続可能)な関係じゃなくなってしまいそうですね。


ルミコ:そうなんですよね。だから、そこまでがんばらなくていいんじゃないかと思います。そして、コーヒーの例にもあったように、もっと自分幸せになるためにどうしたらいいのかを考えて行動してもいいかなって思います。


「疲れ」をなくし、サステナブルな関係を築くために




ルミコさんが話してくれた、日本人特有の疲れというのはあるかもしれません。たしかに小さい頃から相手に嫌な思いをさせないこと、他人に迷惑をかけないこと、我慢することを教えられますよね。それによって、いつの間にか精神的に抑圧されて、日々の生活の中で余裕がすり減ってしまい、余裕のない行動に出てしまうのではないでしょうか。


私たちはこの「疲れ」を減らしサステナブルな人間関係を築くために、自分の幸せをもっと考えて行動することで、気持ちに余裕を持つこと、そしてそのためにも「こうあるべき」という考え方を少し見直してみるのもいいかもしれません。


ルミコ・ハーモニー
フィンランド人と結婚し3児の母であり、アーティスト兼活動家。バイリンガルアート集団「LITTLE ARTISTS LEAGUE」の創始者兼アートディレクターであり、アート・北欧・オーガニック・日本伝統文化などの様々な領域で活躍の幅を広げる。執筆・イラストも手がけるほか、世界のいろいろな事情について語るポッドキャスト番組「LOVE THE WORLD」も配信中。





ディレクター、クリエイター、コミュニケーターの顔を持つ、 「サステナブルラグジュアリー」な価値をつくるクリエイティブコミュニティ。 あらゆる組織、チームの人たちと、柔軟にプロジェクトを組み、価値をつくっていきます。 詳しくはこちら