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2020年4月10日

【岐阜県・艶金代表 墨 勇志さん】「のこり染」で環境に優しい、自然であたたかい色合いを実現

近年の環境問題に対する取り組みの加速と共に、ファッション誌では「SDGs」や「サステナブル」の特集が毎号見られ、ファッションブランドも環境に対する取り組みを加速しています。

 

 

ファッション業界の中で生地の染色を担う岐阜県にある株式会社艶金では、脱炭素をはじめ、環境に配慮した取り組みを約30年以上前から行ってきました。

 

 

株式会社艶金では、10年以上前に「染色」として環境にやさしい「のこり染」の技術を開発。

 

 

食べ物の「のこり」や廃棄される植物などから染めた「のこり染」。

 

 

洋服の大量廃棄の時代に「モッタイナイ」を連想してもらえる染色をしたいということでうまれたそうです。

 

 

自然であたたかい色合いが特徴で、さらに環境に配慮した「のこり染」。

 

 

そのサステナブルラグジュアリーな取り組みについて、株式会社艶金 代表取締役墨勇志さんにお話を伺いました。

 

 

艶金 retricot(リトリコ)さんはCAMPFIREにてクラファン開始中です。素敵な取り組みなのでぜひご覧ください!


▶︎日常着を特別なものに!~染色工場が考える地球に優しい服作り~「retricot」




のこり染の色の秘密

――食べ物の「のこり」や廃棄される植物で染めるといのは具体的にどういうもので染めるのですか?

 

墨:食べ物で言うと、たとえば「よもぎ」色というのは、薬草の宝庫である岐阜県揖斐川地域で採られた「よもぎ」を草餅にした際に出た煮汁で染めています。「よもぎ」の深いグリーンの色が特徴です。また黄色がきれいな「えごま」は、岐阜県飛騨地方で栽培され、種子を搾油して得られる、えごま油のカスで染められています。

 

 

植物で言うと、「さくら」は岐阜県本巣市根尾にある樹齢1,500年余と言われる、日本三大桜の淡墨桜二世の間伐された枝で染められています。

 

 

――どれも自然な色合いがとてもきれいですが、さくらは枝から染まるのですね!

 

 

墨:ただ、年中同じ色で染まる訳ではありません。以前、夏や秋に落ちた枝などを集めて染めてみたところ、まったく違う色に染まって驚いたことがありました。どうも桜が咲き始める前の年明けごろから、4月上旬くらいまでの枝でしか花びらのような色には染まらないようです。

 

 

他にも岐阜県美濃加茂市蜂屋町の名産「堂上蜂屋柿」の皮で染めるものもありますが、こちらも柿の熟成度などによっても色が異なることがあります。

 

 

今は、このように試行錯誤を繰り返しながら、13色で展開しています。

 

 

のこり染めに注目したきっかけ

――試行錯誤しながら「のこり染」をはじめたきっかけはなんだったのですか?

 

 

墨:30年以上前まではほとんどの洋服が国内でつくられていました。そこからどんどん生産工場が海外にうつり、大量に安価な洋服が入ってくるようになりました。もちろん買いやすい価格になることは消費者にはいいことでもありますが、その反面、洋服の大量廃棄が問題になりました。

 

 

それはとてもモッタイナイことだなと。何かこの「モッタイナイ」を連想させる染め方はないかな? と考えるようになりました。

 

 

――洋服の大量廃棄問題、確かに最近は身近にも感じるようになりましたよね…

 

墨:はい。そんな時に偶然、岐阜県産業技術センターの研究員の方から、近くのピーナッツを加工販売している会社のピーナッツの渋皮できれいなゴールドに染めたという話を聞き、「ピーナッツの渋皮」という、捨てられてしまうものを私たちが「色」としてよみがえらせられるのでは? と思いついたのがはじまりです。

 

 

のこり染めが完成するまでの長い道のり

――ピーナッツの渋皮!すごいです!そこから先ほどの13色まで増やしていったのですよね?

 

 

墨:最初は、モッタイナイ「のこりもの」をもらうことが大変でした。いきなり知らない会社から「のこりもの」をくださいと言われてもびっくりすると思いますが、100社連絡して、数社話を聞いてもらえるという状態でした。

 

 

そしてせっかく手に入れた「のこりもの」でも、先ほどのように時期によって色が違って安定して色を出すことが難しく、またそもそもまったく予想と違う色になったりすることもありました。

 

 

また、染める生地の素材も、不思議なことにポリエステルなど人工的なものはまったく染まりませんでした。

 

 

――なるほど、他に例がないだけに、方法を確立するのも大変ですね…

 

 

墨:現場はとても大変だったと思いますが、私はそのような報告を聞くのが楽しく、「自然は人間の思うようにならない」と感じていました。

 

 

この「のこり染」という技術は、ベテランの染色職人の経験と知恵から約1年がかりでうまれたものです。

 

 

のこり染めを通して循環型の社会を目指す

――今、「のこり染」の生地を使用してフードラップも製作されていますね

 

 

墨:約2年前に娘がオーストラリア製を買って帰ってきたのを見て、挑戦してみようと思いました。国産や海外のものなどいろいろなミツロウや天然樹脂などをつかって、ラップとして粘着性があり、また手にはくっつかない、ちょうどいい配合というのを探ってきました。今はかなり理想には近づいていますが、まだまだ改良していく予定です。

 

 

――抗菌性もとても高いんですよね?

 

 

墨:今は下着などの染色の際に「抗菌性」が求められることが増え、このラップも同じ抗菌性を測る試験を行いました。通常、「抗菌活性値」が2.1以上あれば、抗菌性はあると認められるのですが、この商品の抗菌活性値は約6.0の値となっています。

 

 

また半年間、洗ってくり返し使ってもその値がほぼ変わらないことを同じ試験にて確認しています。

 

 

―こちらもとても1枚ずつ手づくりで、とても手間がかかることだと思いますが、このように環境に配慮した取り組みを次々にされるのはどうしてですか?

 

 

墨:染色というのは、100度まで水の温度をエネルギーのチカラであげて使用します。また水も大量に廃棄することになり、環境にはよくない事業と言えます。そこで、約30年以上前から、バイオマスボイラーへの燃料転換により、木材チップを使用するカーボンニュートラルなど脱炭素の取り組みをはじめ、さまざまな取り組みを経て2019年には脱炭素経営宣言を行いました。

 

 

ただこのような取り組みの裏で、先ほど話したような大量廃棄の問題があれば、それは持続可能とは言えません。

 

 

わたしたちは、衣料というのは自分の目が届くところで生産され、長く使い続けられることが大切だと考えています。

 

 

「のこり染」を通して、「モッタイナイ」という意識を持つことで循環型の持続可能な社会の実現を目指しています。

 

 

おわりに

約150年前の化学的な染料がうまれるまでは、「のこり染」とおなじように植物など自然なもので染められていました。だからこの自然な色合いをヒトはどこかでとても懐かしく、そして落ち着くのではないかと、墨さんは話されていました。

 

 

さらにモッタイナイ材料を使用することで、環境にやさしく、わたしたちにもやさしい「のこり染」。今回のお話しを伺って、衣服を選ぶときは素材だけではなく、そのつくる過程にも意識を向けたいと思いました。

 

 

そのモノ自体を長く使えるということに加え、「モッタイナイ」というアンテナを立てて意識していくことが、新しいアイデアが生まれるヒントだとわかりました。

 

 

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「のこり染」の自然な色をいかしたデザインです。

 

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