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生活者は企業のグリーンウォッシュに疲れている?そんな今だからこそ企業ができること

グリーンウォッシュという言葉をご存知でしょうか? サステナビリティへの興味関心が高い方であればおそらく聞いたことがあるこの単語。 グリーンウォッシュは、環境に配慮したイメージを彷彿とさせる「グリーン」と「うわべだけ」を意味する「ホワイトウォッシュ」を合わせた造語です。 環境に配慮しているように見せかけて、実は全く配慮していない商品やサービスを販売促進目的で「エコ」や「サステナブル」という言葉が使われることがグリーンウォッシュにあたります。 今欧米を中心に、グリーンウォッシュの規制への動きが高まっており、さらには2024年の世界の消費者トレンド予想では「サステナブル懐疑」という言葉が発表されています。私たちはそのような動向にどのようなアクションを起こすことができるのでしょうか? 今回の記事では、グリーンウォッシュの規制や生活者の動向について、Plannersメンバーの小林が紹介します。

証拠がないと使えない「環境に優しい」「エコ」という言葉

日本でも最近よく聞く、「環境に優しい」や「エコ」という言葉。商品を売る際のマーケティングとして使われるこの言葉が、証拠がないと使えなくなる日が来るかもしれません。

欧州議会では、明確な根拠を示すことなく「カーボンニュートラル」「環境にやさしい」などと謳い、購入する商品が環境に良いものだと生活者が信じるように欺く主張をする企業への規制強化案を2023年5月11日に決議されました。

提案された、環境に関する主張やラベルを実証・検証することを義務付ける反グリーンウォッシュの規制案は、「消費者と環境の大きな勝利」と称され、賛成544票、反対18票、棄権17票と圧倒的多数の賛成により可決されました。

企業・ブランドは、証拠による裏付けがない場合、「環境に優しい」「自然の」「生分解性」「エコ」といったグリーン・マーケティングの主張を実質的に禁じられることになります。

また、製品やサービスの一部のみが持続可能と判断された場合、製品・サービスの全体を指して持続可能だと表示することもできなくなり、製品情報に使われるサステナビリティ認証ラベルについても、公式のサステナブル認証制度に基づくものか、公的機関が定めたラベルしか受け入れられなくなる見込みです。

さらに、CO2をはじめとする温室効果ガスの削減の努力をした上でも、やむを得ず排出してしまう温室効果ガス(カーボン)を埋め合わせる(オフセット)ため、他の場所で排出削減や吸収の取り組みをしたり、そのような事業に出資したりするカーボンオフセット制度のみを根拠に、「ネットゼロ」「カーボンニュートラル」といった環境に関する主張を行うことを禁止することも規則に盛り込まれる計画だそうです。

2023年1月、英ガーディアン紙は、世界最大のオフセット認証機関の一つヴェラ(Verra)が発行した、熱帯雨林の保全によるカーボンクレジットの90%が「無価値」だと報じました。ヴェラは調査結果に強く抗議していますが、これをきっかけに世界中で、カーボンオフセットの価値のみならずカーボンニュートラルを広く主張することの有効性についても議論されるようになりました。

グリーンウォッシュに疲れた生活者が陥る「サステナブル懐疑」

ユーロモニターインターナショナルが発表した「2024年 世界の消費者トレンド」では「サステナブル懐疑」がトレンドになると予想されています。

サステナブル懐疑とは、生活者はサステナブルな生活を意識して行動を変えてきたが、果たして企業や政府が、やるべきことをすべてやっているのか、疑問に感じていることを指します。

特にグリーンウォッシュに疲れた人は、証拠のない「環境に良い」や確証が持てない目標を信じることができずに、「サステナブル懐疑」に陥りやすいです。

企業の「透明性」に期待をする生活者と「透明性」の難しさを感じている企業

グリーンウォッシュの規制の例として、エティハド航空やルフトハンザ航空などの航空会社の広告キャンペーンで、明確な根拠がなく、「持続可能な飛行」や「未来を守る」といった言葉を使い広告キャンペーンを行ったとのことで、イギリスの広告基準協議会(ASA)からキャンペーンを停止するように指令が出ました。

他にも、サンダルなどを販売する米クロックスは4月、企業を新たに買収したことでCO2の絶対排出量が前年比で45.5%増加したことから、ネットゼロの達成目標年を2030年から2040年に後ろ倒しする計画を発表し、反発を受けました。「サステナブル懐疑」が消費者トレンド予想に入っていることからも、生活者は企業の「透明性」に期待していることは明らかです。

一方で企業側は、世界広告宣伝業連合(WTA)などが行った「サステナブル・マーケティング2030」の調査によるとグリーンウォッシュへの規制が強化されるなかでも、8割のマーケティング担当者は「企業はサステナビリティの取り組みの発信において、より積極的になる必要がある」が、そのうち3分の1はそれを実行するための知識・スキルが不足していると回答しています。

日本も例外ではありません。

経済産業省が2023年7月18日に公開をした「サステナビリティ関連データの収集・活用等に関する実態調査のためのアンケート調査結果」によると、回答企業の78%がサステナビリティデータの生成・収集・分析・開示において、社内の役割分担・責任の所在は明確と回答 している。一方、回答企業の95%が、サステナビリティ関連のリテラシーを持つ人材確保に課題を感じているとの回答がありました。

生活者は企業の透明性を期待している一方で、企業のサステナビリティを「透明性」を持って伝えることは非常にハードルが高いことと感じている企業が多いようです。

Plannersとしてできること

Plannersを運営するアイクリエイトでは、様々な企業とご一緒させていただく中で、サステナビリティ関連の取り組みを伝える人材確保が難しいという意見をよく伺い、もったいないと思うことが非常に多くあります。

そのような問題を解決すべく、未来世代とともにつくるスコアリングや誰にでも伝わりやすいサステナビリティレポート作成をサポートするプロジェクトを進行中です。

ぜひご興味のある方はお問い合わせよりご連絡ください。

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