【初開催】Plannersコミュニティメンバー限定「みらい会議」開催レポート【530ACTION】
2024年5月16日(木)、Plannersコミュニティ限定で「みらい会議〜「ごみ」の概念をなくすために私たちができること〜」を開催しました。 初めての開催となる今回のみらい会議は、5月に行われる「ごみ」の概念がない社会を目指すソーシャルプロジェクト「530ACTION」の実施に合わせてごみ問題について、実践者を交えてお話をしました。
この記事に登場する主な人たち
護美ニンゲンやす
Gomi Ningen Yasu
47都道府県でゴミ拾い達成
東真七水
Azuma Manami
「水中ゴミ拾い専門店Dr.blue」の代表兼ダイビングインストラクター
47都道府県でゴミ拾い達成
「つながる」530ACTIONとは
530ACTIONは、2022年から毎年5月に行われているソーシャルプロジェクトで、2030年までに「ごみ」の概念がない社会を目指すソーシャルプロジェクトです。
3年目となる今年は、「つながる530ACTION」をテーマに、生活者だけでなく、より多くのサーキュラーやゼロウェイストのキーマンや企業がつながり、取り組みの輪を広げていきます。
530ACTION:https://530action.jp/
コミュニティ限定「みらい会議」とは
「わたしたちがつながれば、のぞむ未来をつくることができる」
そんな想いのもと2023年8月にスタートしたPlannersコミュニティで、コミュニティメンバー同士がさらにつながるべく、「みらい会議」が始まりました。
初回となる今回は、530ACTIONの一環として、ごみ問題を一緒に考えるために、今回は47都道府県でゴミ拾い達成し、現在上勝町ゼロ・ウェイストセンターにて勤務されている護美ニンゲンやすさん(以下やすさん)とゴミ拾いダイビングインストラクターの東真七水さん(以下真七水さん)に実践者としてみらい会議に参加いただきました。
開催概要
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- 開催日時:5月16日(木) 20:00〜21:30
- 開催場所:オンライン(Zoom)
- 参加費:無料
- 参加人数:10名(内、運営4名)
- 参加資格:Plannersコミュニティメンバー
- 運営団体:Planners
まずは、参加メンバーの自己紹介からはじまりました。
コミュニティメンバーの中には、今回実践者として参加したやすさんと一緒にバングラディッシュの研修に参加されていた方もいて、和やかな雰囲気の中で自己紹介が進みました。
また、社会貢献プロジェクトを行っている学生団体UN:LIMITED、ファッションムーブメントを起こす団体Mend It Mineの参加もあり、幅広い世代や活動を行っている方々に参加いただきました。
実践者として参加いただいたやすさんと真七水さんには、
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- 取り組み紹介
- 大事にしていること
- 取り組んでいて気づいたこと
- 参加者に聞きたいこと
について5分程度お話しいただきました。
「参加者に聞きたいこと」としてやすさんは「現在住んでいる徳島県の上勝町ではリサイクル率が80%だが、それ以上がなかなか増えないのが課題。リサイクル率を上げるにはどうすれば良いかを聞きたいです」というゼロ・ウェイストタウン上勝町ならではの問題を挙げていました。
一方で真七水さんは、「個人的な悩みにはなるが、1人で全部やっているので、モチベーションの維持方法が知りたいです。ごみ拾いはボランティアのイメージが強すぎて無料で行ってもらうものだと思っている人がまだまだ多い中で、どのように自分の活動を理解してもらえるのかということを常に考えています」という問題を挙げていました。
自己紹介が終わり次は、2つのブレイクアウトルームに分かれてグループディスカッションの時間です。
いろんなカラーを持って活動を続けていくのが大切
執筆者がまず参加したのは、真七水さんを実践者として迎えたブレイクアウトルーム。
まずは、「参加者に聞きたいこと」として真七水さんが挙げていたごみ拾いをマネタイズ化することの難しさについて各自コメントをしました。
参加者の中で、異業種で働いているコミュニティメンバーからは、「自分自身が全く別の業種で働いているので、どのようにマネタイズしているのかすごく気になっていました」というコメントもありました。
現在真七水さんが活動されている沖縄では、ごみ拾いダイビングを随時行っているダイビングショップは真七水さんが経営されているDr.blueのみとのこと。
マネタイズについては、いろんな人に相談をしており、今は拾ったごみをアップサイクルして、「可愛い」ものを販売することで付加価値をつけたいとお話をしていました。
アップサイクルをするというアイデアに対して、参加者からも「とても良いアイデアだし、付加価値をつけて幅広い世代に手に取ってもらえる可能性があると思う」というコメントがありました。
次に、真七水さんの活動について、参加者から質問がありました。
1000日以上「1日1ゴミ」をInstagarmで発信をし続けていたという真七水さん。
陸のごみを拾い続けていたという真七水さんに「どうして陸のごみ拾いをInstagramで発信し続けたのか?」という質問に対し「海中にあるごみの7〜8割は街中のごみが流れていきているので、まず自分が大好きな海を守りたいという思いで、陸のごみ拾いやビーチクリーンを始めました。また、「1日1ゴミ」を体現することで、ごみ拾いのハードルを下げることができると思って発信を始めました。」という回答がありました。
またディスカッションの最後には、「環境問題を考える上で、いろんな活動がある方が良いと思ってるし、それぞれのカラーがあることが環境を守っていくことにつながると思うから、継続するのが発信者としてすごく大切だと思う」という言葉があり、執筆者を含め、参加者にも響く貴重なお話を聞ける機会になりました。
楽しく活動することが大切
次にやすさんを実践者として迎えたブレイクアウトルームに参加しました。
このブレイクアウトルームでは、最初にやすさんが47都道府県ごみ拾いをどのような想いで続けたのかという話になりました。
マンスリーでレンタカーを借りて2ヶ月半かけて47都道府県でごみ拾いを行ったというやすさん。「自分自身の気持ちに波があるので自分の心の余裕と対話しながら、楽しむことに焦点を当てていた」と47都道府県ごみ拾いを振り返りました。
次に、やすさんが「参加者に聞きたいこと」と挙げていた「上勝町のリサイクル率を80%から上げるにはどうすれば良いのか?」を一緒に考えました。
現状、リサイクルができない20%には、以下のようなものがあるそうです。
- おむつ
- 革製品
- 複合素材の靴
- 塩ビパイプ
複合素材の靴のように、様々な素材が混合しているものはリサイクルが難しいそうです。以前はカイロもリサイクルができていなかったとのことなのですが、現在はリサイクルができる仕組みができたとのこと。
保育士をやっていた経験のあるコミュニティメンバーからは、「以前は1歳までにおむつが外れるのがスタンダードだったが、今はどんどん遅くなっている。」という知見のシェアがあり、おむつが外れるのが遅くなっていることがもしかしたらリサイクル率が下がっている原因になっているのではないかという指摘がありました。
参加者の声
最後に参加者いただいた方からこんな素敵な感想をいただきました。
私はごみの活動は個人で始めたばかりなので、皆さんの活動や思いに感動しました。まだまだ知らないことばかりなので、勉強したいです。ありがとうございました!
「ごみ拾い」という行為ひとつをとっても、様々な行動をしている方々がいることを知ることができ、素敵な時間を過ごさせていただきました。また、活動されている方々の悩みは似たようなものがあるのだなとも感じました。
今回の目的を「参加者同士で活動や知見をシェアし合い、少しでも自分の活動に生かすきっかけ」としていましたが、その目的を達成できるようなみらい会議になったのではないでしょうか。
「ごみ」の概念がない社会を目指し、共創する
当メディアを運営するPlannersでは、「ごみ問題」「食と農」「防災」をはじめ、さまざまな社会課題の解決を目指し、サステナビリティに興味を持ち、行動する人たちとつながりながら、プロジェクトを生み、育てています。
なかでもごみ問題に関しては、今回開催された530ACTIONの他、昨年からごみの学校と共同で「資源循環体験プログラム」の開催や、廃棄から循環の仕組みの実現をサポートする「ごみゼロプロジェクト」を始動し、企業の廃棄物の調査分析からアップサイクルの商品化までのサポートなどを行っています。
Plannersの活動に興味・関心のある方は、ぜひPlannersへご参加(無料)ください!
参考資料
Dr.blue:https://www.dr-blue.okinawa/
上勝町ゼロ・ウェイストセンター:https://why-kamikatsu.jp/
執筆者:小林