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【530ACTION 2024に向けて】3月開催「未来をつくるブレスト会議」レポート

2024年3月18日(月)、Plannersコミュニティ限定の企画会議「未来をつくるブレスト会議」をオンラインで開催しました! 今回のテーマは、「『ごみ』の概念がない社会を目指すプロジェクトアイデア」について。 Plannersでは、毎年5月(530月間と制定)に「ごみ」の概念がない社会を目指すプロジェクト「530ACTION」を実施しています。 2022年から活動を開始し、初年度は、まずはごみと向き合うため「ごみを減らす」ことに目を向けてハッシュタグキャンペーンを実施。2年目となる昨年は、より根本的なところから考えるきっかけを目指し、「ごみを出さない、発生させない」ことに目を向け、レポート化にも挑戦しました。 そして3年目の今年は、生活者だけでなく、ゼロウェイストのキーマンや企業も巻き込み、取り組みの輪を広げていきたいと思っています。そこで、今回の企画会議では、今年の530ACTIONの企画をより多くの人に広めるためのアイデアを考えました。

この記事に登場する主な人たち

寺井 正幸

寺井 正幸

TERAI MASAYUKI

1990年京都府亀岡市生まれ 大阪在住。兵庫県立大学環境人間学部後、産業廃棄物処理業者に入社し、産業廃棄物処理を中心とした営業を行う。事業の中で、産業廃棄物に関するセミナーや講演に50回以上登壇。また、インターネットTVの「環アラ情報局」にて環境に関する情報番組に130回企画及び出演を行い、環境分野への幅広い情報発信に力を入れている。

1990年京都府亀岡市生まれ 大阪在住。兵庫県立大学環境人間学部後、産業廃棄物処理業者に入社し、産業廃棄物処理を中心とした営業を行う。事業の中で、産業廃棄物に関するセミナーや講演に50回以上登壇。また、インターネットTVの「環アラ情報局」にて環境に関する情報番組に130回企画及び出演を行い、環境分野への幅広い情報発信に力を入れている。

未来をつくるブレスト会議とは

未来をつくるブレスト会議とは、社会課題の解決に向けて行動する人が集まるコミュニティ「Planners」が開催する企画会議です。
社会課題を自分ごととして捉え、メンバー同士で学びあいながら、サステナビリティプロジェクトのアイデアを出し合い、プロジェクト化を目指しています。

【開催概要】
・開催日時:3月18日(月) 20:00〜21:30
・開催場所:オンライン(Zoom)
・参加費:無料
参加人数:9名(内、運営4名)
・参加資格:Plannersコミュニティメンバー
・運営団体:Planners

 

今年の530ACTION

530ACTIONは、2030年までに「ごみ」の概念がない社会を目指すプロジェクトです。「ごみ」という概念をなくし、循環しバランスの取れている地球を目指し、個々の素晴らしいアクションや知見をシェアし合うことで、新たな気づきをうみ、より良いアクションにつなげていきます。

2020年に立ち上がり、初年度はまずはごみと向き合わないといけないと思い、ごみを減らすアクションをSNSで投稿すると、1投稿530円が寄付になるハッシュタグチャリティーキャンペーンを実施。

2年目は、より根本的なところから考えるきっかけを目指し、「ごみを出さない、発生させない」ことに目を向け、ハッシュタグチャリティーキャンペーンに加えて、集まった投稿を53のごみ削減アクションにまとめて「530ACTION REPORT」を公開。

 

2022年、23年と取り組んできたことも踏まえ、3年目となる今年は、生活者だけでなく、ゼロウェイストのキーマンや企業も巻き込み、取り組みの輪を広げていきたいと思っています。

そこで、生活者を巻き込みながら行動の輪を広げる企画に加え、対象を広げて、すでにゼロウェイストに関して実行しているキーマンたちと未来のアクションを考える企画も実施予定です。

具体的には、以下のような企画を計画しています。

 

■530SUMMIT
サーキュラーやゼロウェイストに関して影響力のある個人や学生団体、企業などがが集結し、世代や業界の垣根を超えて各々の知見や取り組みをシェアし、2024年に各個人、また共創型でできることを考え、宣言するイベント。「プラスチック」「アパレル」「施設」などのテーマ別に、資源循環に取り組む専門家や生活者などが意見交換し、プロジェクト化を目指して共創型でできることを語ります。

 

■#知るギフトで530ACTION
生活者へごみ削減アクションを啓発するInstagramでのプレゼントキャンペーンを期間中に複数実施。ごみ削減に取り組む企業・ブランドの商品やサービスを、ごみの課題と併せて紹介することで、ごみ問題を知り、小さくても自らアクションを起こすことを促す機会を目指します。

 

■その他リアルイベント

例)大人も子どももやってみよう!反毛機イベント(仮)
反毛機という、生地のハギレや古着などを綿に戻す機械を使い、実際に服などのリサイクルを体験するワークショップを開催。

例)ごみを出さないマルシェ(仮)
ごみゼロに取り組む商品などが並び、ごみの分別の実践などもできるマルシェを開催。

 

ごみの専門家である、ごみの学校さんも参加!

まずは、参加メンバーの自己紹介からはじまりました。
当初、ゼロウェイストに関する社会課題解決に取り組む2つの学生団体から3名にご参加いただきました。
さらに、Plannersプロジェクトパートナーであり、資源循環体験プログラムも共催しているごみの学校から、寺井さんと東野さんにも参加いただき、計5名(運営メンバーも合わせると合計9名)にご参加いただきました。

*参加メンバー(敬称略・順不同)
・寺井 正幸(株式会社ごみの学校 代表)
・東野 陽介(株式会社ごみの学校
carutena(学生団体)
Rethink Fashion Waseda(学生団体)

学生からは、各団体の活動内容やイベント情報のシェアに加え、団体・個人それぞれで日常的に取り組んでいるごみ削減のアクションを紹介し合いました。
また、2団体ともファッションに関する環境課題に取り組んでいることもあり、寺井さんからはファッション業界における最近のごみの課題の共有がありました。

 

取り組みの輪を広げていくためのヒント

自己紹介と事前共有が終わったら、いざブレスト会議!

はじめに、今年530ACTIONの企画の一つとして実施を予定している、「#知るギフトで530ACTION」企画に、より多くの人に参加してもらうためのアイデアを出し合いました。

参加者からは、こんな意見が挙がりました。

carutena
carutena
社会的意義を感じられる投稿でないと、コメントするのは正直ハードルが高いかも…。
ReF Waseda
ReF Waseda
これまでも企業様の商品紹介の経験があり、実際に商品を使用している様子を素敵に撮影したり、実際に使用した感想を投稿したりして企画に参加できそう!
ごみの学校
ごみの学校
例えば、学生時代に環境活動をしていて、それがきっかけで企業に入社し、今回の商品を企画した、というような作り手のストーリーがわかる商品はほしくなる!

普段から社会課題について関心を持ち、行動している学生たちが参加したくなるためのポイントや、団体としての関わり方など、より多くの人に企画に参加いただき、取り組みの輪を広げていくためのヒントとなる意見をたくさんいただきました!

 

反毛機を活用したワークショップへの意見交換

次に、今年実施を検討している、ごみの学校さんが所有する「反毛機」を活用したワークショップに関して、話し合いました。

寺井さんによると、反毛機は日本古来のリサイクル技術であり、このようなお話がありました。

ごみの学校
ごみの学校
ぜひ化学繊維の服を反毛機にかけて、綿にならないことを実感したり、素材によって綿になる具合の違いを楽しんでもらいたい

 

普段、古着を回収してデザインし、バッグや巾着などへリメイクしている学生団体carutenaのメンバーからは、こんな声も。

carutena
carutena
回収した素材の中にはリメイクには使いにくい素材もあり、そういう素材を活用して多くの方の学びにつなげられると嬉しい

 

また、学生団体ReFのメンバーからは、こんな意見も挙がりました。

ReF Waseda
ReF Waseda
リサイクルに出したものが、どのような過程を経て再生されているかを、実際に見たり、触れたりしてわかる機会があると、より行動に移そうとする人が増えるのではないか

 

学生メンバーの意見に対して寺井さんからは、このような感想をいただきました。

ごみの学校
ごみの学校
実際に体験しないと伝わらないこともたくさんあるので、ぜひ体験の機会は増やしていきたい。実は企業の方からも同じように、リサイクルの過程を知りたいという要望も多く受けており、世代を超えてどのようにやっていくかは面白そう

 

リサイクルできるものと100年使えるものどっちが良い?

 

企画会議の後半は、学生から寺井さんへの質疑応答の時間を設けました。

様々な質問が飛び交った中、特に印象的だったのが、carutenaのメンバーによる「リサイクルできる製品づくりと、100年使える商品を使うこと、どっちが良いと思うか」という質問。

この質問に対し、ごみの専門家である、ごみの学校の寺井さんはこのように回答されました。

ごみの学校
ごみの学校
これは永遠の問題で、以前グローバルな企業担当者とも同じ話になった。その時は、リサイクルには制度が必要なので、どちらかといえば100年使える商品を使う方が良いのではないか、という話になった。ただ、その場合は捨てたくないものにデザインしないといけない難しさもある。

日々社会課題に向き合い、行動しているメンバー同士だからこそ、とても有意義な質疑応答の時間になりました。

 

参加者の声

ReF Waseda
ReF Waseda
実際にリサイクル現場で働かれている方の専門的な意見や事実を聞けて勉強になりました。

ごみの学校
ごみの学校
学生団体のみなさんが、良い悪いや、やりたいことの軸をしっかり持っていることがすごいと思いました。みなさんとご一緒していくと、ごみの学校もこれまでとは違った価値を生み出していけそうだと感じました!

carutena
carutena
carutenaでは古着を回収し、バッグや巾着などへデザイン・リメイクしていますが、完全なリサイクルではないです。これからアップサイクルしたものをどう循環させるか、ぜひごみの学校さんと一緒に取り組んでいけたらうれしいです。
carutena
carutena
自分では言語化が難しいことを、ごみの学校さんにうまく言語化してもらい、勉強になりました。今後もごみについて考えていきたいです!

今回の企画会議で出た意見を参考に、実施に向けて企画をアップデートしていきます。
企画内容が決まり次第、PlannersのInstagramなどで情報を公開していく予定なので、ぜひお楽しみに!

 

「ごみ」の概念がない社会を目指し、共創する

当メディアを運営するPlannersでは、「ごみ問題」「食と農」「防災」をはじめ、さまざまな社会課題の解決を目指し、サステナビリティに興味を持ち、行動する人たちとつながりながら、プロジェクトを生み、育てています。

なかでもごみ問題に関しては、530ACTIONの他、昨年からごみの学校と共同で「資源循環体験プログラム」の開催や、廃棄から循環の仕組みの実現をサポートする「ごみゼロプロジェクト」を始動し、企業の廃棄物の調査分析からアップサイクルの商品化までのサポートなどを行っています。

Plannersの活動に興味・関心のある方は、ぜひPlannersへご参加(無料)ください!

 

執筆:内山