REPORT

循環型ファッションの魅力をどう伝える?「未来をつくる企画会議 with Syncs.Earth」開催レポート

2023年9月13日、100%土に還るブランド Syncs.Earthの廣田さんをゲストに迎え、ファッションの課題に取り組む学生団体たちとの企画会議を開催しました。 テーマは、「循環型のアパレル商品の魅力を伝える方法について」です。 世界2位の環境汚染産業ともいわれているアパレル業界で、環境に配慮した循環するものづくりをする企業も増えてきましたが、商品の魅力がなかなか消費者へ伝わらないのが悩みの種だといいます。 そんな中、今年の8月に開催したPlanners主催の企画会議で、「環境に配慮した商品づくりをしている企業の魅力を伝えるマルシェをしよう」というアイデアが出たことをきっかけに、今回のイベントではそのアイデアを実現するため、実際に環境に配慮した循環するものづくりを行っているSyncs.Earthの廣田さんと共にプロジェクトのアイデアを出し合いました。

未来をつくる企画会議 with Syncs.Earthとは

未来をつくる企画会議とは、社会課題の解決に向けて行動する人が集まる登録制コミュニティ「Planners」が開催する企画会議イベントです。

メンバー同士で学びあいながら、サステナビリティプロジェクトのアイデアを出し合い、プロジェクト化を目指しています。

今回は、テーマにぴったりのゲスト、100%土に還る服を提供するブランド Syncs.Earth 共同創業者の廣田拓也さんにもお越しいただきました!

【開催概要】
・テーマ:循環型のアパレル商品の魅力を伝える方法について
・開催日時:9月13日 17:00-19:00
・開催場所:対面・オンライン(Zoom)同時開催
 ※株式会社クライス&カンパニー セミナールーム (ご協力)
・参加費:無料
・参加人数:8人
・参加団体:Mend It Mine、carutena、ReF.Waseda
・参加企業:Syncs.Earth
・参加資格:Plannersコミュニティメンバー
・運営団体:Planners

製品を見て、触りながら、魅力を知る

まずは参加者の自己紹介を行った後、環境に配慮するものづくりを行う企業として大切にしていることや課題について、Syncs.Earthの廣田さんからお話を伺いました。

自社の製品を持ってきていただき、糸以外オーガニックコットン100%でつくられたTシャツ、ゴムなど綿以外の素材を使用しないでつくられたリブのニットパンツを触らせていただきました。

実際に製品を手にとって、触らせていただくと、オーガニックコットンTシャツの生地の厚みや土に還るようにゴムを使用しない構造で表現しているリブニットの美しさ、肌触りなど、本当にたくさんの魅力を知ることができました。

参加者からは、

「糸以外オーガニックコットン100%のTシャツは初めて聞いた」

「ゴムを使用しないでリブ生地にしているのが本当にすごい」などの声が上がりました。

実際に生産者から工夫を聞いて、商品に触れることで感じる魅力の多さに気づきました。

参加者の購買体験から企画のヒントを探る

Syncs.Earthの魅力を存分に感じた後に、今回のテーマ「環境に配慮した商品づくりをしている企業の魅力を伝えるマルシェ」についてのアイデア出しがスタート!

最初に論点となったのは、「マルシェでのモノの購入の仕方」について。

carutena所属の大学生参加者からは、

「よくポップアップに行きますが、その場ですぐには商品を購入しません。買うとしても手軽に買える歯ブラシとかが多いです。マルシェを1日ではなくある程度まとまった期間で開催するとして、初日に商品を提供して1週間利用し、最終日に返却してもらう。実際に体験してよければ購入していただく、みたいなのはどうでしょうか。」と意見が出ました。

ポップアップやマルシェで売っているものは、既に自分が持っているものも多く、買いに行くというよりも、情報収集としてポップアップやマルシェに行っている感覚だそうです。

ReF.Waseda所属の大学生参加者は逆の意見で、生産者のこだわりを聞いて試着し、共感ができる商品であればその場で購入をする場合が多いとの意見もありました。

同じ若い世代でもポップアップやマルシェで商品の購買に至る経緯や動機に違いがあることがわかりますが、実際に商品を体験する(=試着する)という共通点が見えてきました。

「試着を促す仕組み」で話題づくり

Mend It Mine所属の高校生参加者から、

「マルシェに行ったことがないので、みんなとは感覚が違うかもしれないが、マルシェは気軽に行けるのに1万円などの高価なものは購入のハードルが高い。試着ができるとハードルが下がると思う。大学生が着て生活することがイメージできる服を一緒に置くなどの工夫ができるといいかも」という意見も!

他にも、「ブランドごとのコラボで、横断型で大学生が着てそうなコーデをつくる」や「エシカルな試着ルームで話題づくり」など参加者が試着をしたくなる仕掛けについてのアイデアが飛び交いました。

10年前の物を長く使うのと、アップサイクルするのとどっちがサステナブルなのかという本質を考えるような議論もあり、実際に普段から自分事として取り組んでいる人ならではの視点で課題についていろいろな側面で考えていたのが印象的でした。

参加いただいた方の感想

今回の企画会議へ参加いただいた方から感想をいただきましたので、一部掲載させて頂きます。

■オンラインで参加した方

貴重な時間をありがとうございました。Syncs.Earthさんの取り組みを知り、よかったです。

 それぞれの団体さんが、いろいろ工夫して発信し取り組まれ、リアルでも活動なさってるのが、分かりました。 リアルの場に参加してらっしゃる方たちのカメラがひとつだったので…それぞれお顔と名前がちゃんとオンライン側からも分かるともっとよかったかと思いました。 

■対面で参加した方

私たちの団体は活動をすべて現在は無償で行っていることから、できることの限界があります。お金の発生しない非営利団体だからできること。企業だから、できること。どちらもあると思うので、何か協力して一つのことに取り組めたら素敵だなと感じました。

・学生だけだと、少し不透明で先行きが見えない問題(例えばさまざまな企業を呼んで大きいイベントを主催するなど、資金や人脈が必要な物)も、プランナーズさんやSyncs.Earthさんなどと話してみたことで実現できそうだと実感できたことがとても良かったです. 循環購入というビジネスプランはとても興味深く、勉強になりました.土に還る服作り、この取り組みの背景や実際にどういうシステムなのかということを知ったことで、さらにブランドに対して共感や興味を持つことができました. マルシェなどでも、こういったブランドの想いや背景を消費者の方にもっと事前に伝えることができれば、購入の一助になるような気がしました!

■Syncs.Earth廣田さんから

興味あることに対して行動を起こされていて少しづつ取り組まれようとされていることに素晴らしいな、と思いました。

また、この分野は十分な収益を上げていくこと、資金調達することが厳しいのが現実なので、

大学を卒業する時に直接的にお仕事として関わるのは難しいという現実もあるような気がしました。学生の方々が卒業後にも継続的に取り組める受け皿としてPlannersがプラットフォームになると色々な可能性が拡がるような気がしました。

未来のプロジェクトがここから生まれる

2023年8月にPlannersがリニューアルしてから、はじめての企画会議として開催した「Planners Meet Up」。

今回は既に課題に対して取り組んでいる団体のメンバーさんを中心にご参加いただいたこともあり、実践している団体ならではのアイデアや団体で取り組む課題と絡めたアイデアが多くでました!

筆者自身、学生までは学生団体としてさまざまな活動をしていましたが、多世代が集まり課題に向けて話す機会がなかったため、このような機会はとても重要だと感じました。お互いにない部分を補い合うような形で、学生団体や企業がコラボレーションする必要性を改めて感じました。

今後もPlannersコミュニティでは、個人、学生、企業などさまざまなセクターで企画会議を開催していきます。

メンバーのみなさんとアイデアを出し合い、社会課題を解決していくためのプロジェクトを、ここから生んでいければと考えています。

興味のある方は、ぜひPlannersへ参加(無料)してみてください!

執筆:藤井
編集:野田